米津玄師、夏代孝明、神聖かまってちゃん…2017年春アニメ主題歌で注目のネット発アーティスト

 2017年の春アニメも5月に入り、ストーリーは中盤へと突入。主題歌のアニソンも、様々な切り口から話題になるものも多く存在しており、リアルサウンドでもこれまで【『カブキブ!』『ひなこのーと』『世界の闇図鑑』……『けもフレ』主題歌に続くアニソンは?】や【『つぐもも』『恋愛暴君』『ひなこのーと』……今期アニメ注目OPテーマを徹底分析】といった形で紹介してきた。

 アニソンシーンでは、音楽作家と歌い手が素晴らしい科学反応を見せる作品が目立つが、一方、先日の『関ジャム』で紹介されたASIAN KUNG-FU GENERATION「リライト」(『鋼の錬金術師』OP主題歌)のように、アーティスト発のアニメソングからのヒットも存在し、ここ数年では、その役割がネット発のアーティストによるものも少なくない(参考:アニソンとJ-POPの境界線はより曖昧に 『関ジャム』最新回に見た構成とキャスティングの妙)。そこで今回は、インターネットを出自とし、今期のアニメ主題歌を担当するアーティストと、その楽曲について前後編で紹介。前編では、男性アーティストの楽曲を中心に展開する。

神聖かまってちゃん「夕暮れの鳥」(『「進撃の巨人」Season 2』エンディングテーマ)

 アニメのエンディングテーマに関する情報は事前告知が一切されず、第一話のエンドロールで彼らの楽曲だとわかるやいなや、ネット上は大騒ぎに。しかもそれが神聖かまってちゃんにとって初めての全編英語詞だったこと、原作者の諫山創氏が彼らのファンで、様々なリクエストを送ったうえで作り上げたというエピソードも相まって、さらなる話題を呼んだ。

 アーティストが特定の作品についてレコード会社の垣根を越えるということは時折あるが、それを“レンタル移籍”としてパフォーマンスしバズを起こした手腕も、まさにインターネット発のアーティストならではの上手さといえるだろう。楽曲は神聖かまってちゃんがバラード曲などで時折見せる壮大なアンサンブルに、先述した全編英語詞とボーカル・の子の繊細な歌声が乗っかることで、アニメと抜群に相性も良く、彼らにとっても新境地を切り開く楽曲に仕上がっている。

佐香智久「フローリア」(『夏目友人帳 陸』オープニングテーマ)

 2009年より少年Tとして動画投稿サイトで活躍し、2012年に佐香智久名義でメジャーデビュー。動画投稿サイト発のアーティストとしてはかなり早めにフックアップされた方で、数々の楽曲でそのポテンシャルの高さを見せながら、2015年にはアニメ『ポケットモンスターXY』のオープニングテーマ「ゲッタバンバン」でさらにブレイク。続編の『ポケットモンスターXY&Z』では「キャラソンプロジェクト総合プロデューサー」を務めるなど、コンポーザー・プロデューサーとしての活躍も著しい。

 そんな佐香は今クール『夏目友人帳 陸』でオープニングテーマを担当。アコースティックギターと透き通るようなボーカルと鍵盤を主体とした素朴なサウンドと歌声で、主人公の夏目貴志とニャンコ先生を軸に織りなすハートフルな物語を彩っている。

佐香智久 『フローリア』Music Video Short Ver.

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