chayが明かす、“出会い”が生んだ心境の変化 「時代の流れやいまの自分を大切に表現したい」

chayが語る、出会いが導いた“変化”

 シンガーソングライターのchayが、約2年ぶりとなるニューアルバム『chayTEA』を完成させた。シングル曲「あなたに恋をしてみました(Wedding ver.)」「好きで好きで好きすぎて」「それでしあわせ」「運命のアイラブユー」「恋のはじまりはいつも突然に」を含む本作は、彼女の特徴である60年代〜70年代テイストのサウンド、歌謡曲テイストのメロディを2017年のポップミュージックへとアップデートさせた作品。chay自身も「いまの私をすべて出し切れた」という自信作に仕上がっている。

 友達とのグアム旅行をきっかけに生まれた「Be OK!」、<自分のこと嫌いな 君が好きだよ>というフレーズが印象的な「You」など、彼女自身が作詞・作曲を手がけた楽曲も魅力的。前作『ハートクチュール』から約2年。シンガーソングライターとしても一人の女性としても大きな変化を経験したという彼女に『chayTEA』の制作過程について語ってもらった。(森朋之)

「サウンドもアレンジも2017年の流れを重視した」

ーー2ndフルアルバム『chayTEA』が完成しました。前作『ハートクチュール』以降の活動の軌跡が込められた作品だと思いますが、まずは手応えを教えてもらえますか?

chay :すべての制作が終わった瞬間、すごく達成感がありました。これほど悔いがない作品は初めてだし、いまの私をすべて出し切れたなって思います。約2年ぶりのアルバムなので、お待たせしてしまった分、最高の作品にしたかったんです。

どんな考え方の人も肯定してあげられる曲を作りたいの画像1

ーー前作以降にリリースされたシングル5曲も収録されていますが、アルバム全体のビジョンはどんなものだったんですか?

chay:『ハートクチュール』はレトロサウンド、歌謡曲テイストのメロディを中心としたアルバムだったんですが、今回はさらに進化したchayをお見せしたくて。もちろん60年代、70年代っぽいサウンドも活かしているんですが、それを2017年バージョンにアップデートさせた楽曲を揃えたつもりです。常に進化し続けたいし、そのことは関わってくださったスタッフのみなさんとも共有できていたとも思います。

ーー現在のトレンドも意識しつつ?

chay :そうですね。エド・シーランも以前のアコースティックなサウンドからエレクトロ、ハウスっぽい音に変化しているし、そういう影響はあるかもしれないです。ひとつのジャンルやサウンドにこだわるのも素敵ですけど、私はいろいろなテイストの楽曲に挑戦したい思っています。たとえばアルバムの2曲目に入っている「真夏の惑星」はトロピカルハウスのテイストを取り入れているんです。これは多保孝一さんの曲で、すごく気に入っていたんですけど、デモの段階では歌謡曲っぽいサウンドだったから、アレンジを変えようという話になったんです。アレンジをお願いしたYaffle(音楽プロデューサーの小島裕規)は私と同い年(26才)なんですね。「アレンジひとつでこんなにも変わるんだ」って自分自身も驚いたし、多保さんも(若いクリエイターを起用して)chayをアップデートさせたいという気持ちがあったんだと思います。実際、他の楽曲でも若いミュージシャンが参加してくれてるんですよ。

どんな考え方の人も肯定してあげられる曲を作りたいの画像2

ーー“サウンドを進化させたい”という共通認識が、アルバム全体の統一感につながってるんでしょうね。

chay:そうですね。当たり前ですけど、多保さんが作る曲と自分が作る曲は雰囲気が違っていて。そのなかでどうやって統一感を出すか、自分なりに悩んだところもあるんです。バラエティに富んだアルバムという言い方も出来ると思うんですが、最初は「バラバラに聴こえるんじゃないか」「“迷走”って思われるんじゃないか」という不安のほうが強くて。でも、結果的にはまったくそんなふうに感じなかったし、ちゃんと統一感も出せたと思います。それはやっぱり、サウンドもアレンジも2017年の流れを重視したからだと思います。

ーーchayさんの作詞・作曲した楽曲もアルバムの核になっていると思います。

chay:ありがとうございます。この2年間でストックしてきた楽曲もあったんですけど、それはほとんど使ってなくて、収録しているのは今回のアルバムのために書いた曲ばかりなんです。それもアレンジの話と同じで、時代の流れだったり、いまの自分を大切に表現したいと思ったからなんですよね。

ーーしかも1曲1曲のキャラクターが強いですよね。

chay:すごく個性があるし、濃いなって私も思います(笑)。1曲1曲に対する思いがすごく強くて、「お気に入りの曲は?」と聞かれても選べないんですよ。思い入れと思い出が詰まり過ぎてるというか。

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