AKB48グループに“革命”は起こるのか? 『ご当地アイドルの経済学』著者が総選挙の重要性を解説

 AKB48グループによる『AKB48 49thシングル 選抜総選挙』が、本日6月17日に開催される。

 昨日16日、開催地である沖縄県の記録的な豪雨を受け、豊崎海浜公園豊崎美らSUNビーチで予定されていた開票イベント、およびAKB48グループコンサートの中止がアナウンスされ、開催直前でさらなる波紋を呼んでいる今回の総選挙。当日はテレビ中継ができるよう無観客の状態で開票を執り行い、各劇場にてパブリックビューイングが行われることとなった。

AKB48『願いごとの持ち腐れ Type A』(通常盤 )

 今年で9回目となる同イベントには、各グループから総勢322名が参加。5月31日には速報順位の発表がニコニコ生放送で生中継され、その模様がAKBグループの各劇場及び全国各地(札幌、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、沖縄)の街頭ビジョンで放送された。

 その結果、中間速報では、ファンの間でもノーマークであったNGT48・荻野由佳が、松井珠理奈、指原莉乃、渡辺麻友といったメンバーを抑えて首位の座を獲得。『ご当地アイドルの経済学』の著者・田中秀臣氏は、若手メンバーの躍進を踏まえ「AKBグループに“革命”が起こる可能性がある」と今回の総選挙の重要性を語る。

「乃木坂46や欅坂46といった“坂道シリーズ”が人気を伸ばす中、AKBグループも既存のファン以外の視線を集めるインパクトを求めています。そういう意味では、指原莉乃さんと渡辺麻友さんの戦いでは社会的インパクトは少ないでしょうし、松井珠理奈さんが頂点に立てば、彼女のファン目線では達成感が大きいでしょうが、ベテランなため社会的な新規性には乏しいかもしれない。しかし中間速報で荻野由佳さんが電撃的に1位にランクインしたことで、世間全体の関心度が一気に高まりました。このまま彼女が上位に入ることで、次世代を担う若手メンバーにも自ずと注目が集まり、グループ内にも変化が生まれるでしょう。若手の活性化はグループ全体の対社会的イメージの更新にも繋がるため、経済戦略面にも新しい風が吹くことは間違いないです」

 沖縄県(豊崎美らSUNビーチ)で開催予定であった今回の総選挙。2015年に福岡(HKT48)、2016年に新潟(NGT48)と地方都市での開催が続いているが、姉妹グループのない都市が開催地に選ばれるのは初めてのこと。沖縄での開催の狙いについて、田中氏は「新拠点開拓の布石」と推察する。(※開票イベントの中止決定前にコメント取材を行った)

「AKBグループが地方経済への貢献を意識的に行っているのはすでに周知のことですが、地方の自治体と企業が一緒にグループを盛り上げていくスタイルはNGT48が初めてでした。その成果が今回の総選挙に表れているため、おそらくSTU48でも同じような施策を取っていくでしょう。その流れの中で、新たな拠点として考えられるのが、九州南部、もしくは中国エリアの海外市場です。沖縄はアジア諸国からのアクセスも良いため、中国や台湾といった海外のファン層を取り込むには最適な場所と言えます。昨年、AKBグループからの独立を表明したSNH48(上海)が独自の路線でヒットしているため、改めて中国エリアへ進出したいところ。もしくは、近年はTWICEのような多国籍ガールズグループが成功を収めているので、九州、沖縄、台湾を繋ぐような多国籍AKBグループという展開も視野にいれているのでは」

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