和田彩花はアンジュルムとともに成長してきたーー卒業発表がグループに与える影響

 アンジュルムの和田彩花が、2019年春予定のツアーをもって、アンジュルム及びハロー!プロジェクトを卒業する。“あやちょ”の愛称で親しまれ、グループ、またハロー!プロジェクト全体のリーダーとして、長年活動してきた彼女の卒業発表は多くのファンに衝撃を与えた。アンジュルムはじめハロー!プロジェクトの動向に詳しいライターの青山晃大氏は、卒業発表を受けて率直な心境を語る。

アンジュルム『愛さえあればなんにもいらない/ナミダイロノケツイ/魔女っ子メグちゃん』(通常盤A)

「非常に驚きました。ハロプロ全体としては昨年、℃-uteが解散したり、嗣永桃子さんが引退するなど、アイドルにはいつか終わりが来ることをファンは改めて感じたはずです。しかし、和田さんに関しては『辞める気はない』『30歳を超えてもずっとアンジュルムを続けていたい』という趣旨の発言をしていただけに、本当に突然の発表という印象です」

 アンジュルムの前身・スマイレージ時代から約10年に渡りグループを支えてきた和田。青山氏は改めてその功績を振り返った。

「和田さんはスマイレージ時代から活動する、唯一のオリジナルメンバーです。2009年に4人で結成されたスマイレージは、ハロプロから生まれた新グループとしては久々だったこともあり、ファンからの期待も大きかった。つんく♂さんの曲も気合が入っていて、初期の楽曲は今もアイドル界隈では人気が高いものばかりです。当初は『日本レコード大賞』の最優秀新人賞を受賞するなど順調でしたが、メンバーが入れ替わったタイミングでその勢いが少しずつ落ち、和田さんも苦汁を舐めてきた部分もあると思います。新メンバーを迎えた2011年から2013年にかけては初期の可愛らしいイメージとは異なる、つんく♂さんのエッジの効いた部分が色濃く出た楽曲を受け継いだグループに進化し、個性が出てきました」

 2017年には大学院に進学した和田。今やすっかり絵画や仏像に造詣の深いイメージだが、そうしたキャラクターが確立され始めた時期がグループとしての進化とも重なっているという。

「この頃から和田さんとしても自分のやりたいことが出てきて、2013年には美術を学ぶために大学に進学した。仏像に関する本を出版したり、絵画教室や美術館巡りの連載を持つなど、かなり本気で取り組んでいます。それまでは“天然”という印象も強かったですが、和田さんに一つ芯が通ったことによって、スマイレージも上向きになって、現在のアンジュルムの人気にもつながっていったのではないでしょうか」

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