Suchmos、なぜ“2018 NHKサッカーテーマ”に? サカナクションら歴代起用傾向から紐解く

 先日、Suchmosが“2018 NHKサッカーテーマ”を担当することが発表された。これまでに“NHKサッカーテーマ”として抜擢されたアーティストは、2002年にポルノグラフィティ「Mugen」、2004~7年に倖田來未「奇跡」、2008年に岡本玲「地図にない場所」、2009年にGIRL NEXT DOOR「Wait for you」、2010年にSuperfly「タマシイレボリューション」、2011~2年にRADWIMPS「君と羊と青」、2013年にサカナクション「Aoi」、2014~6年に椎名林檎「NIPPON」、そして2017年にONE OK ROCK「We are」の全9組。今回新たに名を連ねたSuchmosは、『2018FIFAワールドカップ』の中継をはじめ2018年のNHKサッカー放送を彩ることになる。また楽曲は現在制作中で、今月5月に発表予定とのことだ。

Suchmos「808」

 今回のSuchmos起用理由についてNHKは、「2016年に発表した『STAY TUNE』で世間に名を広め、目覚ましい活躍を見せている彼らが、世代や性別を超えて幅広く支持されるアーティストであることや、サッカーの魅力や感動を独特の表現力で伝えられることなどを最大のポイントとしました」と説明。一方Suchmos YONCE(Vo)は、今回の抜擢を受けて「世界中の視線を集めるピッチはどんな景色だろう。11人とサポーターで燃え上がるボルテージといかしたアイデアがあれば、感動的なシーンがきっと生まれる。 心揺らすチャンスメイクを期待しています」とコメントを寄せている。(引用:2018 NHKサッカーテーマ/NHKスポーツオンライン

 なぜ、Suchmosは「STAY TUNE」がリリースされてから2年以上経ったこのタイミングで、“2018 NHKサッカーテーマ”に抜擢されたのか。その理由について、川崎フロンターレの熱狂的なサポーターであり、三度の飯よりサッカー観戦が好きなライター麦倉正樹氏は、次のように語る。

「『STAY TUNE』でお茶の間レベルの知名度を獲得したSuchmosですが、ヒット曲という意味では、それを超えるものが生まれていないのが実情です。そこでNHKは、2013年に『Aoi』を書き下ろしたサカナクションのように、“NHKサッカーテーマ”をきっかけにバンドとしてさらに飛躍することを期待しているのではないでしょうか。サカナクションは、2007年前後より音楽ファンの間では有名なバンドでしたが、一般的にはそこまで知られていませんでした。しかし、“2013 NHKサッカーテーマ”に抜擢されたタイミングでブレイク。同年にリリースした6thアルバム『sakanaction』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『第64回NHK紅白歌合戦』にも初出場を果たしています。Suchmosもまた『NHK紅白歌合戦』への出場を視野に入れての抜擢だったのでは。

 また、2002年のポルノグラフィティ『Mugen』からNHKはサッカーテーマを決めていますが、その中でも(FIFA)ワールドカップイヤーは特別です。2010年の南アフリカ大会ではSuperfly『タマシイレボリューション』、2014年のブラジル大会では椎名林檎『NIPPON』と共にほかの年の“NHKサッカーテーマ”よりも楽曲が強く印象に残っています。だからこそ、Suchmosは4年に1度しかないビッグチャンスである、ロシア大会が開催される今年に起用されたのではないでしょうか」

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