嵐 櫻井翔、“継続”から生まれる安心感 『ラプラスの魔女』関連の番組ゲスト出演から考える

 嵐・櫻井翔が広瀬すず、福士蒼汰と初共演を果たした映画『ラプラスの魔女』が5月4日より全国ロードショーを迎えた。同作は東野圭吾の同名ベストセラー小説の実写映画化。櫻井が演じる地球化学の研究者・青江修介が自然現象にまつわる不審死の謎に迫っていくサスペンスミステリーだ。監督は櫻井とは『ヤッターマン』(2018年)以来のタッグとなり、近年『土竜の唄 香港狂騒曲』(2016年)で生田斗真、『無限の住人』(2017年)で木村拓哉とジャニーズ屈指の演技派タレントとも作品を作り上げている三池崇史が務めた。

 櫻井が映画作品に出演するのは、嵐主演映画『ピカ☆★☆ンチ LIFE IS HARD たぶん HAPPY』と『神様のカルテ2』(ともに2014年)以来4年ぶり。櫻井は演技の活躍も多い嵐のメンバーの中ではドラマ・映画への出演はあまり多いほうではない。いまや番組の顔としての存在感を発揮する『NEWS ZERO』(日本テレビ系)をはじめとするキャスターや番組司会などの役割をメインにタレント活動を行っているが、映画公開週にはプロモーションとして自らが司会・進行を務める番組にゲスト出演するという機会にも恵まれた。

 5月3日放送の『櫻井・有吉のTHE夜会』(TBS系)には番組初のゲスト出演。ともに番組で主宰の有吉弘行や櫻井の代役を務めた梅沢富美男らからしきりに突っ込まれるというふだんとは異なるシチュエーションを戸惑いながらもいきいきと楽しんでいるのが印象的だった。また、同日放送のバラエティ番組『VS嵐』(フジテレビ系)でも嵐チームではなく、『ラプラスの魔女』の出演者としてゲストチームで参戦。オープニングトークでは櫻井に代わり進行役を大野智が担当。カンペどおりに進めていくという大野の進行は愛嬌があり微笑ましいものだった。しかし、それら2つの番組は、櫻井がふだん自然と行っているスムーズなトーク運びは日頃の積み重ねの上にあるものだということを改めて実感するきっかけにもなった。

 嵐のメンバーは、大野と二宮和也は感覚、松本潤は探究心、相葉雅紀は努力の上にさまざまな活動が成り立っているという印象がある。その点でいうと、櫻井は「継続こそ力なり」という言葉がよく似合う。櫻井があるポジションにいることで安心感が生まれるのだ。だからこそ、番組の要である司会進行を長年に渡り任されるのだろうし、嵐の楽曲に櫻井のラップが加わることでその曲が嵐にとっての要となるのだろう。ある程度確立された役割を続けていくことほど難しいことはない。しかし、そういった日々の鍛錬があるからこそ、新たなことに臨む時にも物怖じせずに向かっていくことができる。そんな精神的な強さを櫻井の活動からは感じ取ることができる。

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