CUBERSが初のホールワンマンで発揮した、5人の個性とパフォーマンス力

CUBERS、初ホールワンマンレポ

 CUBERSが、5月27日にMt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで『CUBERSワンマンライブ~それじゃ、ホールワンマン~』を開催した。

 TAKA、優、春斗、綾介、末吉9太郎の5人からなるCUBERSは、“聴けるボーイズユニット”をコンセプトに、2015年7月に結成された男性グループ。その高い楽曲性が彼らを語る上でのポイントだが、今回の3時間近くのワンマンライブを通して、ダンススキルや歌唱力、5人それぞれが持つ個性も、多くのファンを魅了するファクターであることを感じさせた。

 3時間に及ぶ今回の公演は、ホールでの初のワンマンライブ。セットリスト前後編に、各メンバーによるソロコーナー、生バンドを迎えたパフォーマンスで構成されていた。柔らかな音色のSEをバックに、メンバーがステージに登場。ダンスセクションから流れるように、1曲目「Samenaide」がスタートすると、フロアには黄色い歓声がひびく。CUBERSが“聴けるボーイズユニット”というコンセプトを掲げ活動をスタートさせたのは、2016年9月にリリースされたアルバム『PLAY LIST』からだった。そのアルバムのリード曲として収録されていたのが「Samenaide」であり、言わばコンセプトを説明する上での名刺代わりのような曲だ。金管楽器が力強く響き、カッティングギターが小刻みにリズムを取り、うねるベース、煌びやかなピアノサウンドが色を添える。90年代の男性アイドルを彷彿とさせるそのサウンドは、ディスコファンク、ジャズといった位置づけに当たる。もちろん、それは5人のメンバーのパフォーマンスが合わさって、初めて“CUBERS”の音楽として成立する。サーフロックとコミカルさが上手く混ざりあった「神様は忙しい」では、5人がファンを煽り、「Tic Tac」の「今何時?」という恒例のコールアンドレスポンスに、客席は「今16時!(いまよじ)」と返し、会場の熱量を上げていく。

春斗
TAKA
9太郎
綾介
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春斗
TAKA
9太郎
優
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 メンバーは今回のワンマンライブに向けて、5月頭から本格的にスタジオにこもりリハーサルをスタート。4thシングル『それじゃ、よろしく』のリリースイベントとスケジュールが被っていたために、平日はスタジオ、週末はイベントという怒涛のサイクルを過ごしていたようだ。CUBERSの中でも激しい曲調、アダルトな雰囲気を纏う「PINK」「NANDE」に続き、会えない時間の寄り添いかたをテーマにした爽やかな楽曲「君に願いを」でライブ前半の幕を閉じた。

春斗
春斗
綾介
綾介、田中斗希
9太郎
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TAKA
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春斗
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綾介
綾介、田中斗希
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9太郎
優
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TAKA
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 メンバー一人ひとりの個性が光ったのが、ライブ中盤のソロコーナーだった。春斗はSKY-HI「Tyrant Island」をB-BOYスタイルでクールに捲し立て、レベルの高いラップを見せつけた。綾介は、ゲストの田中斗希とユニットダンスを披露し、その卓越したダンススキルでファンを魅了。9太郎は、最新シングル曲「それじゃ、よろしく」のMVにチアリーダー部が参加していることから、「Hey Mickey!」に合わせ人形2体とチアダンスを展開。途中で人形が壊れてしまうハプニングがあったが、ずっとやってみたかったというチアを経験し、9太郎は満面の笑みを浮かべていた。筋肉に自信のある優は、Aerosmithエアロスミス「I Don't Want to Miss a Thing」をバックにボディビルを披露。マントから姿を現した、隆々とした筋肉に悲鳴に似た歓声がフロアに響く。その後、優は輪投げ、ピンポン球キャッチ、テーブルクロス引きに挑戦するも、成功させることよりも筋肉アピール欲が勝ってしまい、いずれも失敗に終わった。ラストを飾る、TAKAが披露したのはギター弾き語り。TAKAは、この日のために2カ月間練習してきたと明かし、バンドメンバーと共に藤井フミヤ「TRUE LOVE」を歌唱。歌い終えると、メンバーがステージに駆けつけ、彼のチャレンジを讃えていた。ほかメンバーでは、9太郎がピアノ、優がギターを弾くことができるため、ユニットでの演奏も期待したいところだ。

 生バンドを従えてのパフォーマンスでは、愛の形を色に例えた「カラフルにしよう」が披露された。温かなバンドサウンドが続き、そのままMaroon5「Sunday Morning」をカバー。昨年8月にJZBratで開催した『踊らないワンマン』でも、フルバンド編成でEarth, Wind & Fire「September」をカバーしたことがあったが、それに続く選曲だ。ファンクやソウル、ジャズのジャンルをベースに持つCUBERSが、「September」や「Sunday Morning」をカバーすることは必然であり、親和性は抜群に高い。踊らず、まっすぐに歌に向き合うメンバーは、英詞をものともせず、まるで持ち曲のように歌いこなす歌唱スキルに驚かされた。

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 タキシード姿に着替えステージに登場した5人は、「Bi’Bi’Bi’」でライブを再びスタート。ジャケットを着脱する振り付けが、タキシード姿をより映えさせる。春斗のラップパートが炸裂した「Shall we」。「STAND BY YOU」では、5人が客席に降り、ファンの一人ひとりとハイタッチをして回り、TAKAは2階席にまで足を運び、ファンを喜ばせていた。今回の公演でクライマックスとなったのは、ライブのタイトルにもある最新曲「それじゃ、よろしく」だろう。運命をテーマにしたビッグバンド調のこの楽曲は、とにかく明るくポップ。裏拍で手拍子を叩くフロアには、いくつもの笑顔が咲いていた。本編の最後を飾るのは、バラードの「今日はどんな日だった?」。文字通り、タイトルがそのメッセージ性を表す、ラストにふさわしい選曲だ。

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