加藤ミリヤがライブで体現した“Femme Fatale” 『CELEBRATION』ツアー東京公演を振り返る

加藤ミリヤがライブで体現した“Femme Fatale”

 6月3日に幕を開けた加藤ミリヤの全国ツアー『「CELEBRATION」tour 2018』。6月20日にニューアルバム『Femme Fatale』をリリースすることが発表されていたが、ツアーはそれに先んじてスタートしたこととなり、アルバムとは異なる独自のツアータイトルも掲げられている。通常、新たな作品の発表とともに行われるツアーでは、当然アルバムからの楽曲が数多く披露されることになるが、今回の場合、序盤の公演のオーディエンスはアルバム未聴の状態でそれを味わうこととなる。ミリヤにとって初となる今回の試み、そこには果たしてどんな意図があるのだろうか? その答えを見つけるべくツアーの4公演目となる6月11日のZepp Tokyoへと足を運んだ。

 開演時刻を回り、客電が落ちると衝撃のオープニングが待っていた。教会の鐘の音が荘厳に鳴り響き、ウェディングマーチが流れはじめる。緞帳が開くとそこにはダンサーたちとともに白無垢のミリヤがいた。ステージ上には絢爛豪華で、ド派手なバックドロップが吊るされ、とんでもなく“おめでたい”ムードで会場が支配される。なるほど。ツアータイトルの“CELEBRATION”に紐づいた“結婚式”をテーマにしたライブになるのだな、と瞬時に納得したのだが、1曲目に披露されたのがまさかの「I HATE YOU」だったことに驚いた。相手への強烈な愛情を逆説的に歌った楽曲ではあるが、この演出でいきなり“HATE”とは(笑)。こういう洒落っ気の利いたことをさらりとやってこなすのがミリヤの憎いところ。今回もまた1曲目から彼女の世界にがっつりと引き込まれた。

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