BTS振付師 ソン・ソンドゥク、Hey! Say! JUMP新曲「BANGER NIGHT」にも通ずる手法に迫る

 8月9日に公開され、これまでになくアグレッシブなパフォーマンスが話題となっているのが、Hey! Say! JUMPの新曲「BANGER NIGHT」(8月22日リリースの最新アルバム『SENSE or LOVE』収録)のMV。「K-POPっぽい」という感想も多く見かけるこの曲は、世界的な人気を誇る韓国のBTS(防弾少年団)の振付師/パフォーマンスディレクターであるソン・ソンドゥクが手掛けているため、そのイメージは当然と言えば当然かもしれない。

 今回のコラボは、来日したソンドゥクのレッスンを受けて魅了されたというHey! Say! JUMPのメンバーのたっての希望によるもの。ソンドゥクはレッスンや振り入れが緻密なことでも知られており、このMV撮影にあたっては2日間で約14時間のレッスン&振り入れを受けたという。メイキング映像にはあまりのハードさに「足がいうことを聞かない……」と、スタジオで寝転がる山田涼介の姿も見受けられた。「(ソンドゥクの振付は)動きも細かいし、個性を出すよりも揃えることを重視していた気がする」(山田涼介/『QLAP!』9月号より)という発言からも、これまでに体験したことのない新鮮なコラボとなったようだ。ソンドゥクがメインで手がけるBTSの振付については以前にもリアルサウンドの記事で触れているが、ここでは「BANGER NIGHT」にも共通する彼の振付の魅力を改めて考察したい。

 ソンドゥクは指先やつま先までの動きを刃物(韓国語で“カル”)のように揃えて踊る「カル群舞」のスペシャリストと言われている振付師だ。「BANGER NIGHT」では複雑なフォーメーションチェンジが多用されており、カル群舞らしい要素はやや控え目だが、サビのブロックでの中島裕翔や山田をセンターに据えた動きは、まさに大所帯グループならではの迫力を感じさせる(参考:「BANGER NIGHT」Music Video(ダイジェスト映像))。

 このカル群舞は先述の山田のコメントにもある通り、各メンバーの個性を際立たせようとするJ-POPの振付とは異なり、隊列を作るような動きでチームとしての強い存在感を放つのがポイント。さらに大人数になるほどダンスの難易度としては上がるが、爆発的なパワーを発揮する。それがBTSの名作MV「Not Today」や、最新MV「IDOL」(先日リリースされた最新アルバム『LOVE YOURSELF 結 'Answer'』収録曲)のエンディングなど、数十人のバックダンサーを従えて踊るMVの勢いを増幅させている(※「IDOL」ではソンドゥクがディレクションを手掛けているが、振付クレジットは不明)。

BTS (방탄소년단) 'IDOL' Official MV

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