WANIMA、初のドーム公演で計7万人に見せつけたライブバンドとしての真髄

WANIMA初ドームで見せた“真髄”

 WANIMAの全国ツアーのファイナル公演『Everybody!! Tour Final!!』が、8月25日、8月26日の二日間に渡って行われた。会場は埼玉・メットライフドーム。1日3万5000人、2日間で計7万人を動員し、両公演即日ソールドアウト。バンドとして初のドームワンマンだ。

 35万枚を突破したメジャー1stアルバム『Everybody!!』を引っ提げて行われた本ツアーは、ライブハウス、アリーナ、そしてドームと規模を変え、計20万人を動員。問答無用の国民的ロックとなったWANIMAの勢いが具現化したツアーである。そしてファンが喜ぶ催しもたくさん用意されていた。

 まずはアリーナ横の道を行くと、「ワンチャン広場」なる大きなエリアが設置されている。ここに物販もあり、毎回争奪戦が繰り広げられるだけあって、朝8時に行ってみたが、すでに数千人の人だかり。9時から販売が開始すると、特に問題はなく、みんなスムーズに購入できた模様。両手に抱えきれないほどのグッズを持って、嬉しそうにしているファンを見ていると、なんかほっこりした気持ちになった。広場には他にも様々なコーナーが設けられていて、KO-SHINが子供の頃に憧れていたテキ屋のコーナーや、熊本県の名物を食べられるフードコーナー「ワンチャン食堂」、涼しい冷気が噴射されるロッテ「爽」のコーナー、カーセンサーのブースでは「Drive」のジャケットで使用されていたペイント車と記念撮影できるなど、どこまでもファンのことを考えた工夫でいっぱい。

 その中でも特に盛り上がっていたのが、第一興商 LIVE DAM STADIUMとコラボしたカラオケブース「ワンチャンカラオケ選手権」。ファンがWANIMAの曲を歌って得点を競い合うこのブースは、なかなかの白熱ぶりで、WANIMAの曲が持つパワーをまざまざと見せつけられた印象だ。そしてサプライズもあり、カラオケにFUJIも参加。「えっ?」「本物?」という驚きの声とともに、まさかのご本人登場でみんな大興奮だった。

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 エリアに来ているお客さんを見渡して思ったのが、その年齢層の幅の広いこと。小学生や中学生のグループ、高校生や大学生、90年代後半にメロコアに夢中になった世代の人やその家族。そしてとにかくお揃いのWANIMA  Tシャツを着たファミリーが多い。数組の家族にWANIMAの魅力を訪ねてみたら、「とにかくパワーをもらっている」とのこと。そして一番ハッとした回答が、「家族みんなで歌えること」。これは本当にすごいことだと思う。例えば童謡だとか、その年を代表する曲だとか、そういうレベルまで彼らの曲が浸透している証だ。

 ライブ開始までの楽しい時間を過ごし、訪れた人がみんな笑顔になれる、お祭りのような幸せな雰囲気を作り出してくれる広場だった。

 そしてメインである1日目のライブ。この日のために撮り下ろしたオープニングムービー(動物研究家のパンク町田も出演!)が流れ、スタートまでのカウントダウンを煽る。SEの「JUICE UP!!のテーマ」と共にメンバーが颯爽とステージに登場。大歓声に迎えられ、KENTAの「WANIMAと3万5000人、開催しまーす!」の掛け声と共に、「夏の面影」で怒涛の二日間が幕を開けた。

 MC中にスイカ割りの余興なども挟みながら、盛大な夏祭りといった様相で、手を緩めずに会場を盛り上げていく。「ララバイ」やKO-SHINが一番好きな曲だという「ANCHOR」、「やってみよう」や「Drive」といったストレートなナンバーが観客を直撃する。

 向かって右側にはレッドステージが、左側には畳が敷かれたステージが設けられ、KENTA曰く「一番遠くの人も近くになるように作ってもらった」という。これはファンとの距離感を大切にしているWANIMAならでは。距離の近いライブハウスでの彼らは観客をイジりまくるし、ファンもそれを楽しみにしている。そうして生まれる一体感が、他のバンドのライブでは体感できない、多幸感をもたらしてくれるのだ。

 「みんなに歌を届けるため、楽しい一日を過ごすために貸し切りました!」と語るKENTA。そう、メットライフドームでのアーティストのライブで、アリーナスタンディングは初のこと。それだけWANIMAのライブの凄さが認められたのだ。「エム」では会場全体でウェーブが巻き起こり、「サブマリン」では舞台花火がファイアのように盛大に立ち上がる。大きな会場ならではの演出が印象的である。

 KENTAの聴く者を魅了する歌声と唸るようなベース、普段は寡黙なKO-SHINが弾き鳴らすギターはすごく雄弁だ。FUJIのドラムは重厚で、刻まれるリズムは曲の大きな推進力となる。百戦錬磨のライブバンドだけあって、魂のこもった演奏が観客を直撃し、会場全体のボルテージを天井知らず(ドームだから屋根あるけど)に高めていた。

 この日はアンコールを含む全22曲を披露し、「今日はありがとう! 明日もよろしくお願いします!」と幕を閉じた。翌日への期待感しかない。

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