YOSHIKI feat. HYDEのコラボが与えた衝撃 SUGIZOも参加した「Red Swan」を聴いて

 日本を代表するロックバンドであるX JAPANとL’Arc~en~Ciel。その両バンドの顔とも言えるYOSHIKI(Dr/Pf)とHYDE(Vo)がYOSHIKI feat. HYDEとしてコラボレーションをするという報せが届いたのは7月10日、米・ロサンゼルスで開催された『Anime Expo 2018』でのこと。7月からNHK総合で放送される人気テレビアニメ『進撃の巨人 Season3』のオープニングテーマにYOSHIKIが書き下ろした「Red Swan」が決定した、というニュースとあわせて発表されたものだった。

YOSHIKI feat. HYDE『Red Swan』

 YOSHIKIとHYDEは公私ともに親交があり、2016年にYOSHIKIが中心となって開催した『VISUAL JAPAN SUMMIT 2016』にHYDEが電撃参加、YOSHIKIのピアノをバックにL’Arc~en~Cielの「MY HEARTS DRAWS A DREAM」とX JAPANの「Say Anything」を披露したのも記憶に新しい。その後はHYDE率いるVAMPSが主宰する『HALLOWEEN PARTY 2016』にYOSHIKIがサプライズ出演するなど密な交流が見受けられ、今年開催されるHYDE主宰『HALLOWEEN PARTY 2018』にもYOSHIKIの出演が決定。YOSHIKIは同イベントに三年連続の出演となるが、楽曲でのコラボレーションは初となる。

 このコラボレーションがどれだけのものなのか。日本において、もはやここに記す必要もないほどの知名度を誇る二人だが、海外での知名度も抜群である。HYDEは2012年3月にL’Arc~en~Cielとして日本人ミュージシャンで初めて米・マディソン・スクエア・ガーデン単独公演を成し遂げた。一方、YOSHIKIはその2年後、2014年10月にX JAPANとして同じく米・マディソン・スクエア・ガーデン公演を皮切りに、2017年1月には米・カーネギー・ホールで自身のクラシック公演を成功させ、アジア人として初めてロックとクラシックの二大殿堂を制覇。そして、同年3月に再びX JAPANとして英・ウェンブリー・アリーナ公演も成功させ見事三大殿堂制覇を収めている。そんな二人のコラボレーションには、まさしく全世界が驚いたことだろう。『進撃の巨人 Season3』の放送開始と同時に「Red Swan」の90秒のテレビバージョンが公開されてからの反響も凄まじく、英語圏はもちろん、様々な国の言語でカバーされている。

 その『進撃の巨人』についてYOSHIKIは、9月15日に放送された『YOSHIKI CHANNEL』内で何が善で、何が悪か、それぞれ生きるために自分の道を進まないといけないというストーリーに心を打たれ、それをどう楽曲として表現しようかを考えさせられたと語った。それは〈What’s the lie? What’s the truth? What to believe?〉という歌詞にも表れている。また、一聴してYOSHIKIの楽曲だとわかるピアノや生ストリングスを使った広がりのある壮大な展開は、これまで“人対巨人”の構図であったものが次第に“人対人”に移り変わり、少年が大人になる過程で巨人の正体や世界の真相に近づき知見を広げていく『進撃の巨人』のストーリーとリンクしているように感じられる。そして、そこに乗るHYDEの歌声、なかでも『YOSHIKI CHANNEL』内でYOSHIKIが聴きどころに挙げていたラストに向かっていくにつれて叫びのような歌声に変化していく表現力は、筆舌に尽くしがたい。

【YOSHIKI feat. HYDE】Red Swan -Anime MV-【進撃の巨人】【Attack on Titan】

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