Kygo(カイゴ)、初の単独来日公演で魅せた“音楽の多様性” 祝祭ムード溢れるSSA公演を振り返る

Kygo、SSA公演で魅せた“音楽の多様性”

 トロピカルハウスブームの火付け役としてシーンに登場し、その後リリースを重ねる中でひとつのジャンルにはとらわれないサウンドへと興味を広げてきたノルウェーのDJ/プロデューサー、Kygo。彼のさいたまスーパーアリーナ公演が10月27日に開催された。

 これまで『Ultra Japan』で2度のヘッドライナーを務めるなど、日本でのDJ経験こそ多かったKygoだが、単独来日公演は今回が初めて。とはいえ、当日はオープニングDJとして参加したTJOや、Kygoが「Stargazing」でボーカルに迎えたジャスティン・ジェッソ、そしてフューチャーハウス系の人気アーティスト、ドン・ディアブロらがサポートアクトとして登場。まるでKygo主催のフェスのような雰囲気が会場を覆っている。彼が2作目『KIDS IN LOVE』で無名アーティストを多数招集し、彼らをレペゼンしていた(そのためEPのセレーナ・ゴメスやエリー・ゴールディングらとの楽曲は未収録だった)ことを考えると、シーンの仲間を多数迎えたこの日の構成も今のKygoのモードを伝えるようだ。前座のアクトが進むごとに大観衆がフロアへと詰めかけ、Kygoが登場する頃には約15,000人が集結した。

 ステージ中央の高いやぐらに設置されたDJブースにKygoが現れると、まずは「Born To Be Yours」でライブをスタート。その後はZedd「The Middle」やTiesto「Jackie Chan」、Clean Bandit「I Miss You」、Calvin Harris「One Kiss」といった他アーティストの楽曲をノンストップで繋いでいく。その選曲はトロピカルハウスからビッグルームハウス、ファンクやディスコを取り入れた楽曲など、EDMシーンの音楽性の幅を伝えるような雰囲気だ。巨大スクリーンに流れる映像も、カラフルな模様からノルウェーの大地や海、針葉樹を思わせるものまで多種多様。Kygoが影響を受けたアーティストとして公言してきたAviciiを追悼するように彼の「Without You」をプレイすると、会場からも大歓声が巻き起こった。

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