木村拓哉、B’z 稲葉浩志との本音トークへの期待 ゲストにマツコ・デラックス迎えたラジオを聞いて

 「自分の声で、自分の感情で、自分の思ったことを発信できるってラジオしかないから」

 木村拓哉がパーソナリティを務めるラジオ『木村拓哉のFlow』(TOKYO FM)に、11月のマンスリーゲストとしてマツコ・デラックスが登場。冒頭の言葉は、マツコから木村に投げかけられた“ラジオを続けているモチベーションは何か”という質問の答えだ。そんな言葉通り、ふたりの限りなく“オフ”に近い“オン”なトークが繰り広げられた。

 同じ高校に通っていた同級生でもある木村とマツコ。プライベートでも頻繁に会う仲であることは、小気味良い言葉のキャッチボールからも十分に伝わってくる。だが、親しい人の番組にゲスト出演するというシチュエーションに不慣れなマツコは、気恥ずかしさから「私、ダメなオカマだ、ホント〜」とボヤく。すると、木村は「あ、そういうところで“オカマ”というワードを、ちょっと便利に使いすぎ!」と遠慮なくツッコミを入れ、これにはマツコも「あ、バレてる(笑)。ウフフフ、すごいイヤな人、この人!」と、じゃれ合う展開に。

 マツコは自身の現在の人気ぶりを「男でも女でもない何者なんだってところ」が、たまたまテレビの世界に受け入れられたと、冷静に自己分析。縁があって声がかかり、何かを成し遂げたいという志もないまま出演し始めた、テレビの仕事。そこから多くの人に手を差し伸べられて、気づけばレールに乗り、エンジン付きで勢いよく走り出してしまったというマツコの感覚は、もともとアイドルに興味がなかった木村にも通じるものがあるという。

 そして、どんなに“テレビの人気者”となっても、“ひとりの人間であること”を忘れない木村に尊敬の念を抱くマツコ。「どっかで、木村拓哉っていうあなたの部分っていうのが、ちょっと入ってる気がするんだよね。演技してても。ちょっと岩の部分が残ってる、それが可愛い。それは、あなた自身でも取れないものなんだと思う。その岩がちょっと残ってる時点で、欲望まみれにはならないわけじゃない。私もそうありたいと思ってて、やってます。なんていうのかな、すべて魂を売らないようにしなきゃっていう」。

 そのまっすぐな想いに、木村も「魂を売る売らないで言ったら、100売らないよね」と、マツコの言葉を借りるなら“はらわた”を見せて応えるのだ。それは“国民的スター・キムタク”と“オカマのマツコ・デラックス”といったわかりやすいアイコンにとらわれない、個人と個人との対話。その距離感が、聞いていてとても心地良い。同郷の同い年というよしみもあるが、2人が普段から他者に対して常にフラットに向き合っているスタンスがあればこそだろう。

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