ラストアイドル2期生 橋本桃呼が竹中夏海に聞く、“私をバトルで選んだ理由”

橋本桃呼×竹中夏海が語るラストアイドル

 秋元康が総合プロデュースを手がけるオーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系)の2期生として、熾烈な3rdシーズンを生き残り、12月5日にシングル表題曲「愛しか武器がない」を歌うラストアイドル2期生。リアルサウンドでは、水野舞菜と共にWセンターを務める橋本桃呼と、審査員としてジャッジで橋本に票を入れた振付師の竹中夏海の対談が実現。合宿バトル以来顔を合わせていなかった2人が、バトルを振り返りながら想いを語り合った。両者の対話からは、2期生を牽引する存在たる橋本の強固な精神力と、それを見抜き導いた竹中の洞察力が垣間見えた。(榑林史章)

(吉田)豪さんだったら負けたと思った

橋本桃呼、竹中夏海

ーー橋本さんは夏の合宿バトルの時に、3人の挑戦者のうちのひとりとして番組に登場しました(8月26日放送、3rdシーズン#16)。その時の「アイドルをやるならセンター以外は考えられない」という力強いコメントが印象的でした。自信があったからこそ、ああいう言葉に?

橋本桃呼(以下、橋本):単純に、その時の本心をそのまま言っただけなんです。そもそも私は典型的な目立ちたがり屋タイプだし、センターを指名したのも単にいちばん目立てるからだったし。それでシンプルに「センターになりたいんです!」と。

竹中夏海(以下、竹中):私達審査員は前情報として、元ハロプロ研修生だったことや、なぜハロプロを辞めて『ラストアイドル』のバトルに参加したかも知っていて。だからあの場では、きっと少しはそのことに触れるのかな? と思っていたんですね。そうしたら、そういう経緯は一切話さず、「センターになりたいんです。やるからには!」と終始この調子で。だから私は、まず「すごく潔いな」と思ったんですよ。それが清々しく感じたのが第一印象でした。

橋本:私は語彙力が足りないから、いろいろ話しても響かないんじゃないかなって、瞬間的に勝手に思ったんだと思います。

竹中:あの場は、同情を引くという言い方をするとあれだけど、好感度を上げるための駆け引きもできたわけですよ。でも、全然そこじゃなかったから、私は驚いてしまって。そこで、「じゃあ、どんな感じで歌って踊るんだろう?」って、すごく期待が高まったんです。

ーー橋本さんは、立ち位置1番の当時の暫定センター篠原望さん(現:ラストアイドル2期生アンダー)を指名して、こぶしファクトリーの「明日テンキになあれ」を歌った。

竹中:パフォーマンスはすごくかっこいいと思ったんですけど、その前はめちゃめちゃ緊張してたよね?

橋本:はい。先に奥村優希ちゃん(現:ラストアイドル2期生アンダー)が、佐佐木一心ちゃん(現:ラストアイドル2期生)に負けていて。3人で受かりたいねって話していたし、すごく仲良くしていたから、優希ちゃんの分まで頑張らないといけないと思ったし。それに高木美穂ちゃん(現:ラストアイドル2期生アンダー)が持ち越しになって、私の順番が急に早まってしまったから、準備する時間が少なくなって焦ってしまって。それでめちゃめちゃ緊張していたら、ディレクターさんがやさしい方で、「走ってきていいよ」とか「大声を出してきていいよ」とか言ってくださって。走ったり声を出したりできて、それで気持ちを切り替えることができたかなって思います。

竹中:いつもはスタジオだからスタンバイの様子までは分からないんですけど、あの時のバトルは野外だったんだよね。「センターになる」とは言ったものの、震えるほど緊張しているのが私達の席からも見えていて、「パフォーマンスは大丈夫かな〜」と思っていたんだけど、始まったらすごくかっこよくて。「しっかり踏ん張ったな」って。「気持ちを奮い立たせられたんだな」って思いました。

ーーパフォーマンスを終えた時は、手応えみたいなものは感じた?

橋本:リハーサルの時に声が裏返っちゃっていたから、まったく自信がなくて「どうしよう〜」と不安だったんです。でも本番は、練習よりもけっこう上手くできたと思って。手応えというか、安心しましたね。「終わった〜」っていう、ホッとした感じでした。

ーー審査員には、誰がジャッジするか、その場で伝えられるんですよね。

竹中:私は、てっきり(吉田)豪さんだと思ってました。

橋本:私もそう思ってました!

竹中:みんなそう思ってたよね(笑)。豪さん自身も「まあ、僕かな」って言ってたくらいだったし。

橋本:だから、負けたなって思ってたんです。豪さんはハロプロが好きだから、逆に選ばれないかなって……。

竹中:でも研修生だったし、選曲もこぶしファクトリーだったじゃない?

橋本:そうなんですけど、でも豪さんって、読めないところがあるじゃないですか。だから「豪さんだったらどうしよう〜」ってことばかり考えていて。

ーーそれが、蓋を開けてみたら竹中さんで。その場でジャッジを迫られるのは、究極に悩みますよね。

竹中:そうですね。でも「かっこいいな」って、自己紹介の時点で思っていたので、そこから考えはあまり変わらなかったのかもしれないです。

ーー対戦相手の篠原さんは涙声のパフォーマンスになってしまって残念だった部分もありますけど、どんな風に感じましたか?

竹中:私が『ラストアイドル』を含めて審査員をやる時に心がけているのは、減点法で選ばないようにするということなんです。だから、篠原さんが涙声になったからマイナスポイントということはなくて。彼女がいかに暫定メンバーの中で大切な人であるかは、暫定メンバーの子たちとしゃべったこともないけど、雰囲気からすごく伝わっていたし、メンバーにとって精神的支柱になっていると感じていました。だから彼女がバトルをする時の、他のメンバーの心の不安まで伝わってきていたし。そういう相手側に対する思いもあった上で、「どうしようか」と、あの短い時間にすごく悩んだんですけど……。

ーージャッジでポイントにしたのは、どういう部分でしたか?

竹中:今回Wセンターじゃないですか。Wセンターって、センター2人のバランス感がすごく重要なんだけど、入れ替えバトルである限りは、誰と誰がWセンターになるか最後まで分からないわけです。水野(舞菜)さんもその時点ではまだ暫定で、繰越しで後日バトルをすることが決まっていて、しかもその時は水野さんに指名が集中していたから、いつそこが入れ替わるかも分からない状態でした。単純に水野さんとのバランスだけを考えたのなら、篠原さんを選んだと思います。でも、水野さんに決定してもいないわけで、すべてが暫定の時点では、Wセンターとしてのバランスを考えることは難しかったんですね。そうなると、単純に私が、篠原さんと橋本さんのどっちをよりかっこいいと思ったかで、決めるしかないと思って。それで橋本さんを選ばせていただきました。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる