ミュージカル女優と歌手の二刀流で魅了する、田村芽実の可能性と実力

「田村芽実」という歌手の可能性と実力

 ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「アンジュルム(旧スマイレージ)」を2016年5月に卒業した田村芽実。「ミュージカル女優になる!」と高らかに目標を掲げた決意の旅立ちから2年半。その“第2の人生”がたびたびSNSなどで話題を集める彼女の歩みを振り返ってみたい。(川倉由起子)

圧倒的な歌唱力で多くの人が絶賛し、転機となった舞台

 約5年活動したアンジュルム時代から「めいめい」の愛称で親しまれ、チャーミングな笑顔と全力のパフォーマンスで多くのファンを魅了していた田村。加入時はいかにも子供という幼い雰囲気だったが、みるみる身長が伸び、いつしかスタイルも抜群の大人っぽい姿に成長。当初から高い歌唱力と表現力を買われていたが、あっという間にグループの主力となっていった。その階段の上がり方は鮮やかのひと言で、幼少期から劇団四季や宝塚歌劇など多くの舞台を見ては憧れ、自身もミュージカル教室に通い学んできた大好きな“歌”を一気に開放させるような輝きがあったことを記憶している。

 日本武道館で開かれた卒業コンサートも印象に残っている。アンコールでオレンジ色のドレスをまとって登場した田村は、ベンチに腰掛けて自身が大好きな曲「自転車チリリン」をドラマティックに披露。コロコロと表情を変え、演じるように歌う姿はさながらミュージカル映画『メリー・ポピンズ』の主人公のようだったし、彼女自身の“未来”にも見えて胸を打った。ファンの間では今も語り草となっているワンシーンだ。

 そんな弱冠17歳での卒業から1年。大きな転機は、2005年に逝去した歌手・本田美奈子.の半生を描いた舞台『minako -太陽になった歌姫-』の主演だった。話題作への抜擢は当時、各メディアでも大きく報道され、アイドル時代のブランクを感じさせない圧倒的な歌唱力は見た人がこぞって絶賛。また、その舞台を関係者が鑑賞したことからオファーを受けたのが、阿久悠のトリビュート・アルバム『地球の男にあきたところよ~阿久悠リスペクト・アルバム』。阿久が当時の10代に向けて書いた楽曲「ロマンス」(岩崎宏美)を10代最後の歳に発表した田村の歌は、これまた鳥肌が立つほど絶品。儚くも強く、瑞々しいほどのピュアネスに胸を掴まれる仕上がりで、ネットのレビューも高評価の嵐。ぜひ一度聴いてみてほしい。

田村芽実/ロマンス (from「阿久悠リスペクト・アルバム」)

 以降も舞台やミュージカル出演は途切れず、今年8~9月には過去にも出演経験のある「TRUMP」シリーズの最新ミュージカル『マリーゴールド』に出演。持ち得るポテンシャルを余すことなく開花させた全身全霊の歌と芝居は震えるほどの感動をもたらし、初日後、すぐに多くの人がSNSで田村の演技を称賛。同作を観劇した土屋太鳳が自身のインスタグラムで“天才。あまりにも素晴らしい”と絶賛したこともネットニュースで話題となった。

TRUMPシリーズ ミュージカル『マリーゴールド』公開ゲネプロ | エンタステージ

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