NMB48 村瀬紗英&加藤夕夏&小嶋花梨、山本彩から受け取ったバトン「自覚を持って再スタート」

NMB48、新体制インタビュー

 NMB48をグループのキャプテンとして8年間牽引してきた山本彩の卒業から、もうすぐ2カ月が経とうとしている。10月27日に大阪・万博記念公園 東の広場にて開催された山本彩の卒業コンサート『SAYAKA SONIC ~さやか、ささやか、さよなら、さやか~』は、自身がプロデュースを手掛けた山本彩の8年間を体現しながら、後輩にバトンを繋ぐNMB48の新章を感じさせるコンサートでもあった。

 今回、リアルサウンドでは、1月1日に山本彩の卒業コンサートがDVD / Blu-rayでパッケージ化されることを受けて、NMB48メンバーにインタビューを行なった。アパレルブランド「ANDGEEBEE」を立ち上げ女性人気が拡大している2期生の村瀬紗英、NMB48切ってのダンスメンバーで3期生の加藤夕夏、山本彩からグループキャプテンを託された5期生の小嶋花梨。3人にとっても思いの詰まった卒業コンサートを振り返りながら、1月1日に大組閣を迎えるNMB48について、そして激動の中にあるAKB48グループにおいてNMB48の目指すポジションを語ってもらった。(渡辺彰浩)【最終ページに読者プレゼントあり】

加藤「彩さんの存在があったから、自分も成長できた」

加藤夕夏

ーー彩さんの卒業から、もうすぐ2カ月が経とうとしています。卒業コンサートを通して、改めて彩さんはどんな方でしたか?

小嶋:卒業コンサートで3万人の方の前に立った時に、これが8年間グループの先頭に立ってきた彩さんの全てで、だからこそ見られた景色なんだなと思いました。

村瀬:京セラドームでのコンサートが目標というのは、メンバー全員の思いなんですけど、彩さんが卒業コンサートの終わりに「その夢はみんなに任せるから」と私たちに言ってくれて。その言葉で気持ちが一つになりましたし、夢を叶えた京セラドームに彩さんが観に来てくれたら嬉しいなと思いました。

ーー卒業と同時にグループの夢を再確認したんですね。卒業コンサートでは、5期生を中心としたカトレア組の先頭に彩さんがセンターで立つ「絶滅黒髪少女」が、バトンを繋ぐ意味でも印象的でした。

小嶋:「絶滅黒髪少女」は黒髪じゃないと歌えないので、若いメンバーが歌うことが多い曲なんです。今歌えるうちに全力で披露しようと思いました。MV集(『NMB48 ALL CLIPS -黒髪から欲望まで-』)でも5期生がジャケットを飾らせてもらって、新しい時代という意味もあるのかなと、強い気持ちを持ちながら立たせてもらいました。

ーー彩さんの卒業後、初のテレビ出演となった『ベストヒット歌謡祭2018』(日本テレビ系)では、小嶋さんがセンターで「絶滅黒髪少女」を披露しました。

加藤:これからは私たち一人ひとりが自覚を持って再スタートする気持ちで頑張ろうと、(吉田)朱里ちゃんが声をかけてくれて。挨拶とか当たり前のことからしていこうと初心に返りました。

小嶋:全員の気持ちが一つになった瞬間で、ファンの方にも私たちの思いが伝わっていたみたいで安心しました。

村瀬:感謝の気持ちと同時に彩さんがいなくなってから、また音楽番組に呼んでもらえるのかという不安はメンバーみんなにあって。彩さんがいた環境がありがたかったんだなと思えたきっかけのステージで、より気が引き締まりました。

ーーメンバーのみなさんの覚悟が伝わってくる、新章を告げるステージでした。卒業コンサートに話を戻しますが、「僕はいない」ではまさかの渡辺美優紀さんが登場で、再びの“さやみるきー”となりました。ほかにも、卒業生が続々と出演されましたね。

加藤:卒業した1期生が出てきたブロックはすごく胸に染みましたね。私たちが入った頃のNMB48を観ているみたいで、ファンの人たちもそんな感じだったのかなと思います。

ーーあれだけ卒業生が一堂に会することはもう二度とないんじゃないかと思うんですが、舞台裏はどうなっていたんですか?

小嶋:同窓会みたいに楽しんでらっしゃって(笑)。私は加入して2年半ぐらいですが、1期生さんがあんなに揃っているのは初めてみたので。

加藤:そっか!

小嶋:加入前はファンの目線で見ていたのもあるので、「すごい、レアだな」と思いながら見ていましたね。私、コンサートに初めて出たのがみるきーさんの卒業コンサートで、本当にすぐ卒業されてしまったから、「お話してるー!」って。さやみるきーが大好きだったので、すごく新鮮でした。

ーーグループの歴史を感じさせるエピソードですね。彩さんはキャプテンやシンガーソングライターとしてのイメージが強いですが、NMB48切ってのダンスメンバーとしても活躍していました。加藤さんや小嶋さんもダンス選抜として参加した「野蛮な求愛」はそのことを象徴したシーンです。

加藤:彩さんはダンスが上手いのはもちろん、一人でミュージカルしているような、曲に入り込んで演じてるという感覚で。私もダンスに自信を持ってNMB48に入ったんですけど、彩さんを見た瞬間に「すごい人がいる!」と、一番尊敬できる存在に出会ってしまったと思いました。私も頑張るんですけど、彩さんもどんどんかっこよくなっていくから、いつまでも追いつけなくて。でも、彩さんの存在があったからずっと私も負けたくないと思ってダンスを頑張ってこれましたし、そのおかげでグループに入ってから全てのダンス選抜に選んでもらえているんです。彩さんの存在があったから、自分も成長できたなと思える、いつまでも越えられない人ですね。

ーーNMB48には「Must be now」や「僕以外の誰か」、「欲望者」などほかにもダンス曲があったわけですが、それらを選ばずにAKB48グループのダンス選抜曲「野蛮な求愛」が選ばれたのはなぜですか?

加藤:「野蛮な求愛」も彩さんがセンターの曲なんですけど、1回もNMB48でやったことがなくて、卒業コンサートの披露が最初で最後だったんです。AKB48グループとしてもライブでやったこと自体がすごく少ないんですよ。

ーー『リクエストアワー セットリストベスト100 2018』で披露されていましたね。

加藤:あの時がAKB48グループで初めてお披露目した時で。「これ、NMB48でやったらもっとかっこよく出来るんじゃないかな」という話を彩さんがしてくれて、私も「絶対やりたいです!」って言っていたんです。その後もずっと言ってくれていて、このタイミングで最後にやろうということになりました。

ーーあの選曲にはそんな裏話があったんですね。ほかにセットリストの中で、思い出深い曲はありますか?

村瀬:「初めての星」は、卒業公演の夜に放送された『AKB48SHOW!』(BSプレミアム)でも歌った、彩さんが最後に選んだ曲でした。選抜メンバーも彩さんが選んでくれて、彩さんの隣で歌えるのはこの日しかないんやなと思いながら、目が合うと吸い込まれるというか、焼き付けないとと思って。一瞬、一瞬が儚かったですね。

加藤:「最後のカタルシス」は、フロントメンバーと後ろのメンバーで振り付けが違う難しい曲なんですよ。『NMB48東日本ツアー2013』で、初めてダンスメンバーとして彩さんと担当させてもらった曲なんですけど、「この曲では絶対に彩さんに負けへんぞ」という気持ちでやっていたら彩さんに「後ろからめっちゃ迫力感じた」と言ってもらえたことがあって。そこで初めて認識された気がしたし、もう彩さんは覚えてないかもしれないんですけど、その一言が本当に嬉しくて、もっと自信持って頑張ろうと思えたんです。「最後のカタルシス」はずっとやってなかった曲なんですけど、最後に彩さんがセンターで、またその後ろで踊れたのがすごい嬉しくて思い出深いです。

小嶋:「孤独ギター」と「HA!」は、チームSY(山本彩がソロとしてツアーを巡る際のバンド)さんの生演奏とともに、私たちも彩さんのバックダンサーとして披露しました。いつかもう一度共演したいという気持ちもありますけど、これは彩さんがアイドルだから実現出来たことで、すごく貴重な経験でした。

村瀬「こじりんがリーダーになることにみんなが納得した」

小嶋花梨

ーー小嶋さんは、11月4日の卒業公演で彩さんからグループキャプテンを任命されました。

小嶋:彩さんの卒業公演ということもありますし、自分がここで新キャプテンを発表するというのもあったので、いろんな気持ちを持ってステージに立っていたんです。どういう反応が返ってくるんだろうと不安な気持ちの方が大きかったんですけど、メンバーやスタッフのみなさんの優しさに改めて触れて、「そうだ、私はこのグループが好きなんだ」と再確認できました。

ーー彩さんからキャプテンの話はいつ頃から言われていたんですか?

小嶋:8周年の大阪でのコンサート(10月17日開催『NMB48 8th Anniversary LIVE@大阪城ホール』)の時です。言われた時に、自分の性格上きっと断らないだろうなと思ったんですよ(笑)。だったらネチネチ考えず、最後の日まで彩さんがキャプテンとして、どんなことをしているのか見る期間にしようと思ってました。自分がキャプテンをやるなんて思わないので、そういう目で見たことがなかったんですよ。

ーー小嶋さんは“NMB48ヲタク”ですが、そういった立場としては、彩さんにキャプテンを任命される、これ以上の幸せはないですよね。

加藤:どうなんですかね(笑)。幸せと感じてくれているのか。

小嶋:でも、どんな仕事でも幸せに感じれるんですよ(笑)。

加藤:めっちゃええやん。向いてる。

村瀬:でも、みんなが納得した。こじりん(小嶋)で。

加藤:グループをまとめられる人はけっこういるんですよ。でも発表の時、彩さんが言ったみたいに、NMB48愛に溢れてる人って言ったら、こじりんは本当に向いてるなと思ったし。グループのために考えてくれる人だなと思います。ただ、後輩なのにグループの全てを任せてしまうのは申し訳ないから、なんでも言ってくださいって感じです。

小嶋:こうやって言ってくださる先輩しかいないんですよ。それが本当になんて素敵なグループなんだって(笑)。

ーー今の言葉からもグループ愛が感じられますね。加藤さん、村瀬さんから見て、小嶋さんはどんな人ですか?

加藤:準備をちゃんとしてる人ですね。真面目でちゃんとしてくるのはもちろんなんですけど、『第8回 AKB48紅白対抗歌合戦』で白組のキャプテンをやった時もめっちゃ不安だったやろうけど、そのために準備してくる堅実さがすごいなと思う。ただ、真面目なんかなと思いきや、抜けてるところもあって、いじりがいもあるから(笑)。漢字が弱かったり。みんなで「最下層が……」みたいな話してたら、「最下層ってなんですか?」って言ってきて、その時は普通に答えたんですけど、「こじりん、知らんねや」って思いながら。可愛いですね。

村瀬:私も思ってた、聞くんやって(笑)。

小嶋:だから、キャプテンのお話いただいた時に「お勉強できないんですけど……」って聞きました。彩さんが「ご愛嬌! ご愛嬌!」って(笑)。

加藤:言ってそう(笑)。

小嶋:大丈夫なのなと思って……。だから、最近本読み始めました。でも、全然分かんないです(笑)。

加藤:こうやって準備して努力してるから偉い。

ーーまた違ったキャプテン像が生まれそうですね。村瀬さんから見た小嶋さんは?

村瀬:心配がない。全てを任せられるというか、安心できますね。後輩なんですけど、普段見てて、本当にしっかりしてるっていうのが分かるし、うーか(加藤)が言ったように、準備をちゃんとしている姿も見ているので。彩さんは背中で見せてくれていたんですけど、こじりんもそういう部分は持ってるなって思ってます。

ーーちゃんとしているという部分が、『おはよう朝日です』(ABCテレビ)の新リポーターに小嶋さんが抜擢された理由の一つかもしれませんね。『おはよう朝日です』はどういった番組なんですか?

村瀬:朝と言えば、関西の人全員が観てますよ。めちゃくちゃ面白いです。

加藤:みんなの朝が始まる番組です。

ーー関東に住んでると、どんな番組か見えづらいんですよね。

小嶋:私も埼玉出身なので……。

加藤、村瀬:あ、そっか!

小嶋:彩さんは知名度があった上で、ずっとグループを背負ってくださっていたわけじゃないですか。自分は知名度はないですけど、グループに入った時からNMB48を知ってもらえるきっかけになりたいと思っていたから、今回それが掴めたことはまず嬉しくて。でも、語彙力がないので……リポートできるかなって心配です。

ーーリポートの経験は?

小嶋:ほかの番組でちょくちょくさせてもらってるんですけど、食レポとかも苦手で。少しづつ勉強しながら。

村瀬:今日も楽屋でやってたな(笑)。

加藤:あー! お餅のやつ!

小嶋:必死に日本語喋って。

加藤:めっちゃすぐに終わってたから(笑)。お餅食べたのに、「口の中にプリンが」って(笑)。

村瀬:食べ物を食べ物で例えてる、一番ダメなやつやん。

ーー目の前にお水がありますが。リポートやってみますか。

小嶋:では、お水をいただきたいと思います。あ~! ん! これは硬水ですね。硬水が少し苦手なんですけど、すごく飲みやすい硬水で、ゴクゴクと首に……。

加藤:喉な!

一同:ははははは(笑)。

加藤:成長が楽しみ。伸び代しかない。

ーー1月7日の初回放送では、視聴者への挨拶があります。

小嶋:私以外にも新リポーターが5人いらっしゃるんですけど、一度お会いしただけで刺激をもらったんですよ。自分にない部分をたくさん持っているので、私は負けずにフレッシュさを出しながら。NMB48の中では大人しい方とよく言われるので、リポーターの中でも変に落ち着いてしまったら印象に残らないなと思ったので、殻を破ってもっと自分をさらけ出していきたいなと思います。

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