DISH//が7年かけて育て上げた音楽のカタチ 2019年へと思いを繋いだ年末ワンマン振り返る

DISH//が7年かけて育て上げた音楽のカタチ

 4人組ダンスロックバンド・DISH//が、2018年12月27日に行ったワンマンライブ『忘年会だよ!全員集合!!!2018』。エンディングでメンバー全員がステージを下りたあと、この1年の彼らの道のりを振り返るかのように流れた「Starting Over」に合わせ、会場を埋め尽くすスラッシャー(DISH//ファンの愛称)が大合唱を始めた。

〈あの日 僕らは泣いて泣きじゃくって それでも諦められない夢を語り ほんのわずかでも希望を探して 闇雲にもう一度歩き出した〉

DISH//

 サポートミュージシャン2名を加えたライブは先述の「Starting Over」の演奏で幕を開けたが、柔らかな笑みを浮かべた匠海、その歌を丁寧にハモりでサポートしていく矢部昌暉(Cho/Gt)をはじめ、メンバーの佇まいにはこれまでにない落ち着きを感じさせるものがあった。序盤はステージ上と客席が一体となってヘドバンする「Newフェイス」、スラッシャーのコール&ペンライト芸(?)が炸裂する初期ナンバー「FLAME」など、アッパーな曲を連投。会場を瞬時にヒートアップさせていった。

 そんな中で7曲目に演奏されたのが「ただ抱きしめる」。橘柊生(Fling Dish/RAP/DJ/Key)のリリカルなピアノの音色や、落ちサビでの匠海のエモーショナルな歌声にぐっと引き込まれるようなバラードだ。スラッシャーへの感謝の気持ちを伝えるかのように“自分にとって大切な存在”について歌ったこの曲では、スラッシャーもペンライトを消し、じっくり演奏に聴き入っていた。

 続く「HIGH-VOLTAGE DANCER」からはヘッドセットを着け、彼らの顔の1つであるダンスロックバンド形式でパフォーマンスを展開していく。プレイ面の屋台骨である泉大智(Dr)を含む全員が歌って踊り、時折演奏してはコントばりの小芝居まで披露する「JK//」での盛り上がりは圧巻だった。特にパラパラ風の振りをスラッシャーと一緒に踊り、曲中のセリフを「みんなと忘年会できてうれしいよーーー!!!」と替えて会場を盛り上げていた柊生は、この日もステージと客席の熱気を橋渡しする宴会部長(?)的な役割を果たしていた。

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