LaLuce 長月翠と“歩く芸術”監督が激突 改めて問われる、ラストアイドル「バンドワゴン」の意義

ラスアイ「バンドワゴン」の意義

 ラストアイドルファミリーが、“歩く芸術”と言われる団体行動に挑戦中のバラエティ番組『ラスアイ、よろしく!』(テレビ朝日系)にて大波乱が起きた。

 事件が起こったのは3月2日放送分でのこと。ファミリーは現在、3月23日、24日に川崎市とどろきアリーナで開催されるB.LEAGUEで、約50年もの歴史を誇る行進パフォーマンス“歩く芸術”を披露するべく、名物監督・清原伸彦を相手に猛特訓を受けている。演目の一つとして清原から提案があったのが、メンバー52人でラストアイドルのデビュー曲「バンドワゴン」を歌い、これまでの経験をパフォーマンスに活かしてほしいというもの。しかし、その意見に異議を申し立てたのが長月翠。「バンドワゴン」はラストアイドル初期メンバー5人が大切に歌ってきた楽曲のため、「踊っちゃいけない」というのが彼女の言い分だ。代表曲「バンドワゴン」をB.LEAGUEのステージで披露しラストアイドルの知名度をさらに広げようと考えた清原に対して、長月の譲れないプライドが激突し、結果「バンドワゴン」の演目は変更に。この放送を受け、SNSでも長月派と清原派に分かれての議論が巻き起こり、再び「バンドワゴン」というワードが盛り上がりを見せている。

【MV】バンドワゴン/ラストアイドル

 長月が言うように「バンドワゴン」はラストアイドルにとって特別な楽曲だ。楽曲自体がすでに提示された状態で、「バンドワゴン」の歌う権利を獲得するため4カ月の熾烈なオーディションバトルを勝ち抜き、決まったのが現在のメンバー5人(当時7人)だった。言わば「バンドワゴン」はラストアイドルの始まりの曲。これまでアレンジを変えて歌ったり、途中からファミリーが合流し披露することはあっても、ほかメンバーを混じえフルでパフォーマンスしたことはない。3月9日の放送では長月のもとに駆け寄る阿部菜々実、大石夏摘、安田愛里、鈴木遥夏の4人も長月と同じ気持ちだったことを伝え、鈴木は「『バンドワゴン』だけは守りたかった」と涙ながらに感謝を述べる。この“だけは”という言葉から垣間見えるのが、ラストアイドルからLaLuceにグループ名が変更になった悔しい思いだ。

 2ndシーズンのバトルをシュークリームロケッツが勝ち抜いたタイミングで、ラストアイドルのグループ名はLaLuceに変わった。失墜したLaLuceから、スポットライトはシューロケの元へ。その中でも、LaLuceとシューロケの2グループを兼任する長月は複雑な思いを抱えていたはずだ。この抱え込んでいた思いが溢れたのが、AbemaTVで放送されていたユニット対抗プロデューサーバトル第2弾の決勝戦。バトルは奇しくも「LaLuce VS シューロケ」というカードだった。結果はLaLuceの勝利に。その際、1stシーズン、2ndシーズンを振り返り長月は「『ラストアイドルって何なんだろう』って正直思ってしまうこともたくさんあって」と秘めていた思いを言葉にしていた。

 当時、筆者はその収録に密着しており、バトル終了後のインタビューで長月にその言葉の真意を聞いた。

「ラストアイドルとしてデビューした7人、初期暫定メンバー、2ndユニット、それぞれがどう頑張ってきたかを見てきたし、どの立場の気持ちも分かるので。2ndシーズンで負けて、『ラストアイドルからLaLuceになります』と言われた時は表に出さないようにしていましたけど、相当悔しかったですし、理解できないこともありました。『ラストアイドル7人ってなんだったんだろう』と思うこともいっぱいありましたけど、LaLuceになって、5人になって、“ラストアイドルのLaLuce”になるのがこれから楽しみでしょうがないです」

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる