関ジャニ∞、『crystal』で通算37作目の1位獲得 簡潔な中でポップスを最大限に聴かせる3曲に

参考:2019年3月18日付・週間シングルランキング(2019年3月4日~2019年3月10日)

 2019年3月18日付のオリコン週間シングルランキングで1位を獲得したのは、関ジャニ∞の『crystal』。29作連続1位にして、通算37作目の1位です(エイトレンジャー名義作品を含む)。

 「crystal」の作詞作曲編曲(作詞は高木誠司との共作)は、ヒットファクトリーであるagehaspringsの所属作家の大西省吾。これまでも関ジャニ∞の多くの楽曲の編曲を担当しており、最近では歌い手出身のシンガー・そらるの楽曲の編曲を手がけているのも目を引きます。

 MVでは関ジャニ∞がバンド演奏をしているように、バンドのような手触りのサウンド。一方で、2番からはバックトラックにプログラミングの音が増えていきます。そしてギターソロを挟んで転調へ。希望を歌うこの楽曲にふさわしい展開を見せます。作詞作曲編曲を大西省吾が手がけたからこその、ひとつの世界観を描いたまとまりが楽曲にあります。

 初回限定盤と通常盤のカップリング「咲く、今。」の作詞は松原さらりで、こちらもヒットファクトリーであるonetrapの所属作家。作曲は、シンガーソングライターのオカダユータです。そして楽曲は、カントリーロックのようなサウンドによるミディアムナンバー。歌いだしのボーカルが非常にせつなく、思わず楽曲に引きこまれます。

 通常盤のみに収録されているカップリングの「月曜から御めかし」は、メンバーの錦戸亮が作詞。作曲は、松原さらりと同じくonetrapの所属作家の南田健吾。ロックサウンドに乗せた勢いに満ちたボーカルを聴かせます。

 ここで紹介した3曲とも、実は4分未満。ポップスにおいて簡潔であることは非常に重要であり、簡潔な中でポップスを最大限に聴かせる3曲です。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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