『AKB48選抜総選挙』2019年は開催見送り 指原莉乃のコメントからグループへの影響を考える

 AKB48グループが2009年より続けてきた『AKB48選抜総選挙』が、今年は開催が見送りとなった。

55th Single『ジワるDAYS』(TypeA 初回限定盤 シングル)

 AKB48オフィシャルブログ「AKB48選抜総選挙につきまして」(AKB48 オフィシャルブログ)には、「昨年開催10回を数え大きな区切りを迎えたAKB48グループの毎年の恒例行事」と区切りのいい節目であることを示した上で、「AKB48グループは、ファンの皆様が心から応援したいと思って頂けるようなグループになれるよう、引き続き日々精進して参りたいと思っております」と信用回復の期間と見受けられる文章も添えられている。NGT48の山口真帆への暴行事件に関する一連の騒動が「第三者委員会の調査待ち」という状態であることから、自粛という形をとったとも捉えられるが、全ては憶測の域を出ないだろう。

 2009年よりスタートした総選挙からは、前田敦子(2009年、2011年)、大島優子(2010年、2012年)、指原莉乃(2013年、2015年~2017年)、渡辺麻友(2014年)、松井珠理奈(2018年)と5人の覇者が誕生。2011年、前田の「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください」を筆頭に登壇するメンバーの名スピーチも総選挙の醍醐味であり、前田と大島、指原と渡辺というライバル争い、卒業発表や結婚発表など、10年間で様々なドラマが生まれた。第7回に当たる2015年からは福岡、新潟、沖縄、愛知と毎年開催場所を変え、数十億円の経済効果を及ぼす地域活性化に貢献したイベントでもある。

 総選挙を3連覇し計4回、女王の座に輝いた指原はTwitterで「色々なことの整理、説明ができていない中での開催はもちろんできないので仕方がないと思っています。みなさんが周りに『応援している!』と胸を張って言えるようなグループでないといけないですよね。」とあくまで個人の受け取り方と主張した上での意見をツイートし、「総選挙でみなさんに知ってもらえた自分としては…総選挙に向けて努力しているメンバーもファンの皆さんのこともわかっているので複雑です…。」と言及した。

 2018年の総選挙終了後からAKB48グループ内での若手メンバーの台頭は顕著に表れている。その代表格と言えるのが、AKB48の矢作萌夏だろう。昨年5月に劇場デビューした矢作は、研究生としては初、グループ史上最速のソロコンサートを今年1月にTOKYO DOME CITY HALLで開催。今夏に1stソロ写真集の発売、シングル選抜入りなど、今最も期待されているメンバーと言っても過言ではない。当然、今年総選挙が開催されていれば大きくジャンプアップしていたことは確実だろう。

 また、IZ*ONEをデビューさせた韓国のオーディション番組『PRODUCE 48』に参加したメンバーに現在も余波が続いているのは、昨年の総選挙前とは異なるポイントだ。HKT48の宮脇咲良と矢吹奈子、AKB48 チーム8の本田仁美はIZ*ONEとしてデビューし、日韓を行き来する日々が続いている。『PRODUCE 48』に参加し、3月に卒業を発表した高橋朱里は、韓国の事務所・Woollimエンターテインメントからデビューすることを発表。高橋は総選挙参加については例外となるが、AKB48の後藤萌咲は雑誌『JELLY』のレギュラーモデルが決定し、NMB48の村瀬紗英も自身のアパレルブランド・ANDGEEBEEの出店拡大。AKB48 チーム8の下尾みうが参加するイベント、コンサートにはアジア圏から多くのファンが詰めかけていると聞く。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる