Da-iCE、ヒゲダン 藤原聡と共に切り開いた新境地 「FAKE ME FAKE ME OUT」を読み解く

Da-iCE、ヒゲダン藤原の提供曲で見せた新境地

 2019年1月13日・14日に自身初となる大阪城ホール2Days公演を大成功のうちに終了。翌日1月15日にメジャーデビューから丸5年を迎え、今年6月には初のベストアルバム発売、さらには同作を引っさげたベストツアーも開催と勢いに乗っているDa-iCEが、ニューシングル『FAKE ME FAKE ME OUT』を4月24日にリリースした。

Da-iCE -「FAKE ME FAKE ME OUT」Music Video

 表題曲は、昨年末の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)初登場で反響を巻き起こし、今年7月には初の日本武道館公演も決定と、こちらも飛ぶ鳥を落とす勢いのヒゲダンことOfficial髭男dismの藤原聡(Vo/Pf)が作詞作曲を担当。躍進を続ける2つの才能がタッグを組んだとあって、リリース前から大きな話題を集めていた曲だ。

 今回のコラボーレションは、メンバー全員がヒゲダンのファンというDa-iCEたっての希望で実現。もともとDa-iCEのリーダー工藤大輝のレギュラーラジオ番組にゲスト出演するなど、交流を重ねていたこともあり、藤原は二つ返事で楽曲提供を快諾したという。

 ダンスボーカルグループとピアノポップバンドの掛け合わせは一見ミスマッチのようにも思えるが、ヒゲダンはブラックミュージックをルーツに持つバンド。フジテレビ系月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』の主題歌に起用されたメジャーデビュー曲「ノーダウト」は打ち込みによる軽快なダンスミュージックだったし、『Mステ』で披露した「Stand By You」は多彩なコーラスとハンドクラップが印象的なゴスペル的な高揚感を持つ曲だった。

 また、藤原は、スティーヴィー・ワンダーやEarth, Wind & Fireといった往年のソウル音楽からの影響を公言し、ブルーノ・マーズも大好き。インディーズ時代に発表したEPには「MAN IN THE MIRROR」「What’s Going On?」と、前者はマイケル・ジャクソン、後者はマーヴィン・ゲイの代表曲の曲名を拝借したタイトルをつけていたりもする。さらに2017年作のミニアルバム『レポート』では、EDMやハウスなどの打ち込み、ヒップホップに代表されるループミュージックのエッセンスを如何にバンドサウンドと融合させるかということにも挑戦。実験性がありながらも、抜群にポップに響く、ハイブリッドでハイセンスな楽曲を次々に世に送り出してきた。

 一方のDa-iCEは、昨年リリースの最新アルバム『BET』でメンバー全員が楽曲制作に参加。ニュージャックスウィングやフューチャーベース、ダブステップやEDMなどにも果敢にアプローチし、K-HIPHOP的なエッセンスやスウィングジャズのテイストも導入。バラエティに富んだサウンドを展開し、ひと皮剥けた音楽性を提示してみせた。

 そんなアルバム制作を機に、最近ではますますメンバーが楽曲制作に対して積極的に関わっているというDa-iCE。さらなる音楽性の向上をめざして歩んでいる5人が、5周年という節目を経たこのタイミングで、稀代のソングライターである藤原と合流したいと願うのは、自然な流れだったのだろう。

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