アンジュルム「恋はアッチャアッチャ」好調の要因 ハロプロ伝統と本来の目的果たしたMVの効果

 ハロー!プロジェクトに所属するアイドルグループ、アンジュルムの9枚目(改名前からは通算26枚目)のシングル『恋はアッチャアッチャ/夢見た 15年』が好調だ。

アンジュルム『恋はアッチャアッチャ/夢見た 15年』

 4月22日付のオリコン週間ランキングでは48,650枚を売り上げ2位をマーク。デジタル領域の数値も組み込んだ合算ランキングの方でも2位に付けている。YouTubeのMVには「CMを見て来ました」などのコメントが寄せられ、新規ファンを獲得している様子がうかがえる。理由を探ってみよう。

 まず第一に、曲が面白い。インド風味の一風変わった曲調だ。ボーカルの加工やエスニックな楽器の音色など、細部に耳に残る工夫が凝らされている。タイトルにある”アッチャ”とはヒンディー語で”いいね”を表すという。「大器晩成」や「臥薪嘗胆」といった力強いダンスナンバーをリリースしてきたこのグループにとっては変化球的ではある。

 作曲は星部ショウ。アンジュルム以外にもこぶしファクトリー、Juice=Juiceといった近年のハロー!プロジェクト楽曲を支える気鋭の作家だ。一方、作詞は児玉雨子。こちらもここ数年で頭角を現している若手の女性作家で、昨年発売されたアンジュルム「46億年LOVE」が好評でいっそう注目が集まっている。ハロプロの新世代を象徴する2名が手掛けているとあって期待も大きい。変化球的だが、才能を結集させた力作という印象だ。

 加えて、この曲の面白さはMVにある。腰のあたりで両手を少しだけ動かすシンプルなダンスは奇妙で、目を引く。それをさまざまな人々が踊る様子が移り変わっていく映像は意味不明だがなぜか見てしまう。奇天烈なサウンドと相まって、映像の世界にじわじわと引き込まれてしまう。今作はテレビCMとして打たれているので、彼女たちを知らなくても気になった人が多いのも頷ける。

アンジュルム『恋はアッチャアッチャ』(ANGERME [Love is Accha Accha])(Promotion Edit)

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