FIVE NEW OLD、海外公演を経て手にした手応えと自信 アジアツアーファイナルを見て

FIVE NEW OLDアジアツアー最終公演レポ

 FIVE NEW OLDが5月25日、赤坂BLITZにて『FIVE NEW OLD ASIA TOUR 2019 # JAPAN -TOUR FINAL-』を開催した。今年3月にシングル『WHAT'S GONNA BE?』をリリースし、香港、台湾、中国、タイを回る初のアジアツアーを行った彼らが、5月18日大阪・梅田CLUB QUATTRO、5月23日愛知・名古屋CLUB QUATTROを経てたどり着いた最終公演だ。

 FIVE NEW OLDの音楽はすべてが英詞で歌われ、The 1975などを好んで聴く人にとっても耳馴染みのよいサウンドだ。R&Bやファンク、80’sの要素を取り入れたアーバンな演奏にHIROSHIの流暢で色気のあるボーカルが乗ると、FIVE NEW OLDならではのグローバルスタンダードなポップスが完成する。途中「身体をほぐすように(サウンドに乗ってほしい)」とHIROSHIが言っていたのが象徴的で、彼らの音楽には身体の揺れを自然と促す心地よさがある。

 FIVE NEW OLDのパフォーマンスはとても自由度が高い。HIROSHIはギターを持って歌うこともあれば、ハンドマイクで華麗なステップを踏みながら歌うこともある。WATARUはリフをギターで鳴らすこともあれば、シンセで弾くこともある。ベースのSHUNとドラムのHAYATOはバンドの屋台骨を支えるリズム隊だが、WATARUも含め、美しいコーラスを響かせる。楽曲によっては機械的なビートや同期が鳴り、刺激的なレーザービームの演出が施されているものもあった。それぞれが楽曲に導かれるようにして、自然に、自由に、演奏し、歌う。以前、FIVE NEW OLDのライブを観たときよりもその印象が強くなったのは、海外で経験したステージの賜物だろう。

 この日のライブは、最新シングル『WHAT'S GONNA BE?』収録の「Better Man」からスタート。ギターリフが印象的でドラマチックな「P.O.M.」やベースの濃厚なサウンドから始まり間奏のギターが際立つ「Gold Plate」など楽器ごとの見せ場もありつつ、やはり情感たっぷりな「Hole」や「Gateway」はじめ表情豊かな歌を聞かせるHIROSHIのボーカルが素晴らしかった。「Stay(Want You Mine)」や「Ghost In My Place」での開放感ある立ち振る舞いにはポップスター然とした華やかさや風格が感じられた。

 オーディエンスの心と身体と声を借りることで仕上がるという「What’s Gonna Be?」はバンドがこれまで掲げてきた“海を越えた人たちにも音楽を届けたい”という思いをさらに強める中リリースした最新シングル表題曲のパーティーチューン。4人の演奏からはバンドが好きで音を鳴らすことが好きで、だから多くの人と音楽でつながりたい……そんな素直な思いが伝わってきた。

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