モーニング娘。楽曲で“人生”と“青春”はどのように歌われてきたか? 67thシングル発売を機に検証

モーニング娘。'19『人生Blues / 青春Night』(通常盤A)

 モーニング娘。'19の67枚目となるニューシングルは『人生Blues / 青春Night』の両A面。2曲とも作詞作曲はつんく♂が担当している。モーニング娘。そしてハロー!プロジェクトの20年以上にもおよぶ歴史において、つんくは多数の楽曲を世に送り出してきた。そこで紡がれた歌詞のなかには、手癖というべきか作家性というべきか、よく使われる頻出ワードを見出すことができる。

 愛、恋、夢、笑顔、涙、友情、地球、太陽、宇宙、原宿、東京、大阪、女、乙女、電車、寝不足、大盛り、未来、感謝……。J-POPでよく使われる単語ともいえそうだが、しかしそれでも、ハロプロ楽曲内にこれらの単語が出てくると「ああ、つんく♂っぽいなあ」と感じてしまうのは、ハロプロ/つんく♂ファンなら共感してもらえることと思う。

 今回のシングルの曲名に用いられている〈人生〉と〈青春〉も、やはりつんく♂がよく使う印象がある単語だ。そこで本記事では、つんく♂が作詞したモーニング娘。楽曲のなかで、曲名および歌詞中に〈人生〉と〈青春〉がこれまで何回登場したか、そしてどのような文脈で使われてきたのかを調査/研究したいと思う。

〈人生〉と〈青春〉が占める割合

 まずは“つんく♂が作詞したモーニング娘。楽曲”がこれまで何曲あるのかを数えてみよう。バージョン違いは除外、ミュージカル用などの短曲は除外、メンバーソロシングル楽曲は除外、モーニング娘。さくら組・おとめ組楽曲は含める、そしてもちろんつんく♂以外の作家による作詞曲は除外……といった条件の元でカウントすると、2019年6月現在では286曲あった。

 そのなかで曲名に〈人生〉が含まれているケースだが、これは意外にも今回の新曲「人生Blues」の1曲のみだった(ちなみに“ミュージカル用などの短曲”を含めると、2001年の『LOVEセンチュリー -夢はみなけりゃ始まらない-』で制作された「DON'T STOP人生」[歌唱:辻希美]という楽曲がある)。

 なお、モーニング娘。以外のハロプロ楽曲まで範囲を広げてみても、つんく♂作詞曲では松浦亜弥「オリジナル人生」[2004|アルバム曲]、Juice=Juice「伊達じゃないよ うちの人生は」[2014]ぐらいしか見当たらない。

 つんく♂以外の作家による作詞曲だと、真野恵里菜「バンザイ! ~人生はめっちゃワンダッホーッ!~」[2012|アルバム曲|作詞:本上遼]、℃-ute「人生はSTEP!」[2016|作詞:角田崇徳]、カントリー・ガールズ「VIVA!! 薔薇色の人生」[2017|アルバム曲|作詞:児玉雨子]、アンジュルム「人生、すなわちパンタ・レイ」[2019|アルバム曲|作詞:前山田健一]の4曲がある。

 続いて〈青春〉を曲名に含んだつんく♂作詞のモーニング娘。楽曲だが、これは「青春Night」以外だと6曲、つまり計7曲あった。どの曲かは後述。

 モーニング娘。以外のハロプロ楽曲でつんく♂作詞曲だと以下の11曲がある。

・プッチモニ「青春時代 1.2.3!」[2000]
・松浦亜弥「YOUR SONG ~青春宣誓~」[2004]
・美勇伝「青春 THE NIPPON」[2007|c/w曲]
・音楽ガッタス「青春のカスタード」[2008|アルバム曲|歌唱:吉澤ひとみ、里田まい]
・Berryz工房「友情 純情 oh 青春」[2004|c/w曲]
・Berryz工房「青春大通り」[2007|c/w曲]
・Berryz工房「青春バスガイド」[2009]
・℃-ute「青春ソング」[2009|アルバム曲|歌唱:矢島舞美]
・℃-ute「青春! 無限パワー」[2010|c/w曲]
・Berryz工房×℃-ute「青春劇場」[2011|配信曲]
・ハロプロ研修生「青春Beatは16」[2015|アルバム曲]

 つんく♂以外の作家による作詞曲だと、以下の6曲だ。

・アテナ&ロビケロッツ「青春! LOVEランチ」[2008|作詞:磯崎健史]
・真野恵里菜「青春のセレナーデ」[2011|作詞:三浦徳子]
・真野恵里菜「青春 レインボウ」[2012|c/w曲|作詞:三浦徳子]
・つばきファクトリー「青春まんまんなか!」[2015|作詞:もりちよこ]
・こぶしファクトリー「バッチ来い青春!」[2016|作詞:イイジマケン]
・ハロプロ研修生「正しい青春ってなんだろう」[2018|作詞:福田花音]

 そして、モーニング娘。の楽曲の中で歌詞に単語が使われた曲数だが、〈人生〉は30曲、〈青春〉は23曲だった。また、一曲中で〈人生〉と〈青春〉の両方が出てくるというケースもあり、それは7曲あった。それでは以下で具体的に見ていこう。

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