安田レイ、『モトカレマニア』オープニングテーマが共感呼ぶ理由 ドラマとリンクした歌詞がポイントに

安田レイ、『モトカレマニア』OPが共感呼ぶ理由

 普段、誰かと接していて直感的に感じる”好き”はシンプルな感情なのに、恋をしたときはそこに”嫌い”や”切なさ”や”愛”が入り混じるのはどうしてなのだろう。恋をしている人なら誰もが1度は、その複雑に入り混じったほろ苦い気持ちに振り回される。現在放送中のドラマ『モトカレマニア』(フジテレビ系)は瀧波ユカリが描く同名コミックスを原作にしており、女子の恋愛あるあるが魅力の作品である。実際、女性からの共感の声が多く、主人公の気持ちに寄り添うことで作品を楽しむ視聴者も多い。

 ドラマは、元カレが忘れられない”モトカレマニア”な主人公・難波ユリカ(新木優子)が、元カレ=マコチこと斉藤真(高良健吾)と職場で再会し、恋に仕事に奔走するという物語。本作での、ユリカがマコチと再会してすぐに、SNSでマコチを見つけ投稿をくまなく読んだり、これまでにも様々なSNSでマコチを検索したことを話すなどのシーンは非常にリアリティがあり、恋に向き合うのが怖くてなかなか前に進めない姿は視聴者の共感を得ている部分でもある。出会ったその日の夜に気になった相手をSNSで検索するのは身に覚えがある人も多いはず。ドラマでは、オープニングで流れる〈誰よりスキだから 誰よりもキライになる〉というキャッチーなメロディと歌詞も印象的だ。同楽曲は複雑な恋心を歌った安田レイの「アシンメトリー」。ドラマに沿った歌詞は、現代女性なら思わず大きく頷いてしまうようなSNSに関する内容や、恋の正解がわからず苦悩する姿が描かれる。まさにユリカの気持ちを代弁するかのような作品であり、洗練されたメロディと共感性の高い歌詞でドラマを盛り上げている。ユリカの恋する相手は、一度は結ばれたことのある“元カレ”。「アシンメトリー」の歌詞は、全く手の届かない相手ではなく、どこか親近感のある相手との恋愛について描いているようで、ユリカがマコチを想う気持ちにリンクしていると言える。同じように距離が近くてもなかなか想いが伝わらない恋なら、気持ちに温度差のあるカップルや、長い片想いの人でも深く頷いてしまうだろう。つい、ユリカのように元カレや好きな人のSNSを探し、定期的に観察してしまう人は「アシンメトリー」の中の〈思い知る 別々のストーリー 知らない誰かに 向いたタグが寂しい〉という歌詞のストーリーがInstagramの「ストーリーズ」と結び付き、日々のモヤモヤを代わりに歌ってくれているような気持ちになるはずだ。

安田レイ 『アシンメトリー』Music Video (フジテレビ系 木曜劇場「モトカレマニア」オープニングテーマ)

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