志尊淳&ももクロ玉井詩織、イメージを覆す新境地 NHKドラマ『女子的生活』のリアリティ

志尊淳&玉井詩織、イメージを覆す新境地

 トランスジェンダーの主人公・小川みきを演じる志尊淳のビジュアルが公開されて以来、放送前から大きな反響を呼んでいたNHKドラマ10『女子的生活』。1月5日に放送された第1話では、みきが同級生の後藤(町田啓太)を助けたことをきっかけに行った合コンでの、“女”同士のバトルが描かれた。

 冒頭から可愛い小物、色とりどりのファッショアイテムを背景に、ハッシュタグのテロップ、みきを演じる志尊のモノローグが重なっていく。みきが語る言葉通り、まさに「イマドキ女子のスタイル」。しかし、みきがメイクをし、身支度をするまで、一切その顔は映らない。通勤中、木に引っかかた子供の風船を、長身を活かして取ってあげるところで、初めてみきの素顔が明らかになる。すでに志尊の女装姿は明らかになっていたが、あまりにも自然な“女性”としての志尊の姿には驚くべきものがあった。

 ただ女装をしているのではない。その仕草やしゃべり方、姿勢、何気ない動きが、「こういう女性見たことある」と思える、まさに“女性”になっているのだ。ライターの久保田和馬氏が「進化し続ける俳優・志尊淳、2018年はどうなる? 去年の活躍を振り返る」で述べているように、多くの作品で多彩なキャラクターを演じてきた志尊だからこそ、この難役をリアリティあるものにできたのだろう。

 その一方で、同級生の後藤から手土産にもらったあんドーナツパンをかじり「うんめぇ〜」と言葉を漏らす瞬間や、合コンでターゲットにしたゆい(小芝風花)に強引に迫っていくさまなど、“女性”でありながらときに垣間見える力強さに、『きみはペット』や『帝一の國』で演じたキャラクター以上の“男らしさ”を感じてもしまった。志尊演じるみきは、回を重ねるごとにその魅力を増していきそうだ。

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