吉田鋼太郎、“乙女モード”演じる破壊力 『おっさんずラブ』で“歴代屈指”のヒロイン役に

吉田鋼太郎、“乙女モード”演じる破壊力

 巨乳好きのモテないサラリーマン・春田創一(田中圭)と、仕事ができる理想の上司・ 黒澤武蔵(吉田鋼太郎)、ドSなイケメン後輩・牧凌太(林遣都)の三角関係を描いたラブコメディ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)。話題に事欠かない本作だが、なんといってもその魅力は登場人物たちがまっすぐに恋をしていること。なかでも吉田が演じる黒澤の乙女っぷりには、誰もを惹き付ける唯一無二のパワーがある。

 吉田といえば、シェイクスピア・シリーズの常連として、長きにわたり第一線で活躍を続ける舞台俳優。2013年放送の日曜劇場『半沢直樹』(TBS系)で注目を集め、翌年に出演したNHK連続テレビ小説『花子とアン』で大ブレイクを果たしてからは、テレビやスクリーンでも“大人の男性”としてただならぬ色気を放ってきた。

 その吉田が現在演じているのは、春田のことが好きで好きでたまらない不動産会社の営業部長・黒澤武蔵。あまりに不可解な設定に頭が混乱してしまうが、『おっさんずラブ』の世界では、これが常識。仕事中の黒澤は包容力のある素敵な上司で、ダンディな魅力で女性たちをメロメロにしてきた吉田の真骨頂といえる役どころ。だが、そんな黒澤が春田を思って「はるたん…」とつぶやけば、それとは相反する“乙女モード”に一気に様変わりするのである。

 第1話では、自身が撮影した“はるたん写真”を本人に見られたことを機に、自分に嘘はつきたくないと「好きです! はるたんが好きでぇぇぇす!!」と全力の告白。さらに「俺は、結婚していて妻がいる。だから、俺がちゃんとするまで待ってほしい。春田、俺に時間をくれ」と懇願し、花束を渡して「ありがとう」と告げて去って行く。それまで「おっさん同士の恋愛とは、どうしたものか」とドラマとの向き合い方を探っていた視聴者に対して、「何も考えずに楽しめばいいのだ」と示してくれた瞬間だった。

 第2話では、10年前にケガをした際、手当てをして靴を履かせてくれたことが春田を好きになったキッカケだと明かし、「あの時、お前が俺をシンデレラにしたんだ」とこれ以上ないパワーワードをサラリと言ってのける。さらに、2人の屋上ランチに「ちょっと待った」とばかりに乱入してきた牧と “春田の悪いところを10個言う”という子どものケンカのような事態に突入すると、「かわいすぎる~、存在が罪~、ピュア~、えっ…かわいすぎる~」と完全なる恋は盲目状態を露呈。春田の「俺のためにケンカするのやめてくださぁぁぁい」という絶叫とあわせて腹筋崩壊必至の名場面なのだが、と同時に胸キュンまで訪れるのが『おっさんずラブ』のおもしろさ。まさに新感覚のラブストーリーである。

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