太賀が明かす、福田雄一監督や山田孝之への思い 「節目の作品に混ざれて本当に光栄だった」

太賀が明かす、福田雄一や山田孝之への思い

 『勇者ヨシヒコ』シリーズや映画『銀魂』など、コメディ描写に定評のある福田雄一監督がラブストーリーに初めて挑んだ映画『50回目のファーストキス』が6月1日より公開となった。アダム・サンドラーとドリュー・バリモアが共演したアメリカ映画『50回目のファースト・キス』をもとにした本作は、天文学者になる夢を抱きながらツアーガイドとして働くプレイボーイの弓削大輔(山田孝之)と、過去の交通事故により新しい記憶が1日で消えてしまう短期記憶障害を負った藤島瑠衣(長澤まさみ)の恋模様を描いた物語だ。

 今回リアルサウンド映画部では、長澤まさみ扮する短期記憶障害の姉・瑠衣を献身的に支える、筋トレ好きな弟・慎太郎を演じた太賀にインタビューを行った。3度目の福田組参加にして初めてガッツリと作品に関わった福田組に対する思いや、山田孝之や長澤まさみ、佐藤二朗らとのエピソード、そして役者としての今後についてまで、大いに語ってもらった。
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「楽しいという気持ちはありつつ気合いも入った」

ーー10月クールの連続ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で福田監督と再タッグを組むことが既に決定していますが、意外にも福田組にガッツリと関わるのはこの『50回目のファーストキス』が初めてなんですね。

太賀:そうなんですよ。福田さんとのお仕事は、菅田将暉の『情熱大陸』(TBS系)、ゲスト出演した『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(テレビ東京系)に続いて今回が3度目になるんですけど、どちらも1日だけ現場にチラッと行くレベルの短い撮影でした。そんな中で今回初めて福田さんとガッツリ一緒にやれる、しかもこれまでコメディを量産されてきた福田さんが初めて手がけるラブストーリーということで、話をいただいたときはめちゃくちゃうれしかったですね。

ーー太賀さんが演じた慎太郎は、登場人物の中でも最もコメディ路線に振り切った非常にインパクトのある役柄でしたが、原作となったオリジナル版ではダグ(演:ショーン・アスティン)として登場していて、筋トレ好きなどの基本的な設定も踏襲されていました。この役柄を演じるにあたって、オリジナル版はどの程度参考にしましたか?

太賀:クランクイン前にオリジナル版を観て、素直に素敵な作品だなと思ったんですけど、オリジナルのダグを自分がどう演じるかというよりは、福田さんが書いた脚本に対してどうアプローチしていくかということの方が大きかったです。だから原作がこうだからこう、みたいなことはあまり意識しませんでした。人種もそうですし、設定も多少違うところはあるので、それはそれ、これはこれというイメージで、僕の中では全く別物として考えていました。

ーー衣装もものすごくインパクトがありましたね。

太賀:衣装はオリジナル版のものを踏襲しているんですけど、よりピチピチがいいよねという話になって、いけるところまでピチピチの衣装になりました。その分、僕もより体を鍛えなければいけなかったんです。ハワイのホテルに隣接していたジムで(山田)孝之さんと一緒に筋トレをしたりもしましたね(笑)。

ーー今回は福田組の常連である佐藤二朗さんやムロツヨシさんが笑いのないシリアスなシーンにも挑戦している一方、太賀さんだけは常に笑いに特化した役どころという印象でした。

太賀:ラブストーリーのしっかりした部分があってこそコメディ要素が引き立つし、コメディが笑えるからこそラブストーリーの部分が切なく感じる。そのバランスがとても大事で、そういう意味でも慎太郎は非常に重要な役だと思っていたので、楽しいという気持ちはもちろんありつつ、気合いも入りましたね。福田さんは今の日本のコメディ映画において第一人者だと思いますし、二朗さん、ムロさんをはじめとした福田組の中に自分が入っていくのは、ある意味で恐いところもあって。自分がどこまでできるかも分からないし、これでスベり倒したらどうしようというプレッシャーもあったんです。でも、いざ現場に入ってみるとすごくアットホームで、福田さんものびのびとやらせてくれました。掛け合いが多かった父親役の二朗さんにしても、僕がボケて二朗さんがツッコむという役割がハッキリとしていた分、僕が何をやっても二朗さんが拾ってくれるという安心感があったので、それはすごく助かりました。

ーー佐藤さんとの掛け合いは観ていて何度も吹き出してしまうほど面白かったのですが、アドリブとかではなく、基本的には脚本どおりだったらしいですね。

太賀:ほぼ脚本通りでしたね。ただ、現場で変わって、そのまま生かしていくということも多少あったと思います。僕は撮影初日が孝之さん演じる大輔との空港でのお別れのシーンだったんですけど、そこで初めて二朗さんからビンタを受ける流れをやったんです。そこで「この流れは面白いかもね」となって、ビンタのシーンが増えていったという経緯はありました。アドリブというよりは、きっかけは全て福田さんが作ってくれた感じでした。

ーー撮影中に思わず笑ってしまったりすることはなかったんですか?

太賀:しょっちゅうありましたよ(笑)。二朗さんにツッコまれるのが耐えられないぐらい面白くて。なるべくカメラに映らない角度で笑ったりごまかしながらやっていました。特にビンタのシーンはヤバかったですね。佐藤さんから「ここ来い」と言われて自らビンタをされに行かなければいけないのですが、「ここ来い」と言われた時点で「ヤバいヤバいヤバい……」ってなっていて(笑)。でも慎太郎は“慎太郎然”としていなければいけなかったので、我慢するのに必死でした。ビンタされてからも笑ってしまいそうで大変だったんですけど、必死に映らないところで笑ってから戻していましたね。

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