いよいよ怒涛の最終回へ! 古沢良太脚本『コンフィデンスマンJP』が月9に吹き込んだ新しい風

『コンフィデンスマンJP』月9に新しい風

 主演・長澤まさみ、脚本・古沢良太のタッグで送る月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)の勢いが止まらない。

 メインキャストの3人が、各話に出演する金の亡者のゲストを相手に、ド派手な謀略と詐欺で一攫千金を目指す様子を描く本ドラマ。ダー子(長澤)は3人の中心的存在で、いつも突拍子もないアイデアを編み出しては、さまざまな分野の知識や技術を次々に覚えられる才能を持っている。反面、その無鉄砲な一面が、同じチームのボクちゃん(東出昌大)を辟易させてしまう。ボクちゃんは、できることならダー子たちとの詐欺行為をやめたいと思っているにもかかわらず、結局いつも丸め込まれて加担させられてしまう。そして、2人を脇からサポートする存在として存在するのがリチャード(小日向文世)。ベテランならではの風格と、熟練のテクニックで、毎回の計画で絶妙な役割をこなす。

第1話『ゴッドファーザー編』


 1話完結型の本作では、いつも3人の計画は順調には進まず、大概、大きなピンチ(時には、3人の命に関わるくらいの修羅場をくぐり抜けなくてはならないようなピンチ)に見舞われてしまう。しかし、それでも最後には3人はチームワークを結集させ、急転直下の逆転劇というシナリオが描かれる。

第4話『映画マニア編』


 このドラマが視聴者を惹きつける要素は、一体どこにあるのだろうか? 一つには、古沢良太の脚本による、緻密な構成とダイナミックな物語進行の仕方にあると言える。『リーガルハイ』(フジテレビ系)、映画『エイプリルフールズ』といった作品からも分かるように、エンディングの予想外の結末や、逆転劇というのは古沢ならではの作り上げ方だ。『コンフィデンスマンJP』もその持ち味が十分に発揮されている。

第6話『古代遺跡編』


 一見現実ではありえないような設定・展開にも関わらず、観る者にその“ありえなさ”を疑わせることなく、一つのシチュエーションとして受け入れさせてしまう。ここに本作の秀逸さがある。コメディはただ単に、エキセントリックな状況やキャラクターをミックスさせれば、爆笑を誘えるものにはならない。「そんなことあるわけがない。くだらない」と思わせたら、視聴者は興ざめするだけで、作品に奥行きが生まれない。その点、本作の綿密に作られたシナリオとそのクオリティの高さは、作品全体に重厚感を与え、チープな印象を与えていない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる