志尊淳×浅香航大×小越勇輝×堀井新太が語る、『ドルメンX』が描く“芸能界のリアル”

『ドルメンX』メンバーインタビュー

 小学館『ヒバナ』にて連載されていた高木ユーナのコミックを実写化した『ドルメンX』。地球を征服するためにやってきた“隊長”をはじめとした5人の宇宙人が、アイドル“ドルメンX”として活動し、奮闘していく姿を描く。今年3月には深夜ドラマ枠として全4話が放送され、隊長を演じる志尊淳ほか、イチイ役の浅香航大、ニイ役の小越勇輝、サイ役の堀井新太の“アイドル”姿が話題となった。劇場版では、ドラマの第1話から第4話が再編集され、彼らの15年後も描かれる。

 リアルサウンド映画部では、宇宙人であるドルメンXのメンバー、志尊、浅香、小越、堀井の4名にインタビューを行った。劇中さながらの抜群のチームワークで、自身と演じた役との違い、撮影の裏側までたっぷりと語ってもらった。(編集部)
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それぞれの個性が活かされた“ドルメンX”

――ドラマも映画も、4人のキャラクターが際立っていました。台本を読んだときの、キャラクターに対する印象は?

堀井新太(以下、堀井):台本でも漫画の設定でも、僕が演じたサイのキャラクターは、一番しゃべらないし、みんなとは一線を引いて見ているようなイメージがあります。でも、僕は真逆の性格なんです(笑)。本当だったら、楽しくおしゃべりしたいし、面白いシーンは面白くしたいほうなんです。でも、みんなの個性を際立たせるためにも、引いたほうがいいんだなと思ってお芝居しました。とはいえ、たまに素の堀井新太が出ちゃって。例えば、普段はおとなしいサイが机の上に登って話してみるという大胆な行動を取ってみたんですが、、、当然のごとくNGになってしまいました(笑)。

志尊淳(以下、志尊):僕が演じた隊長は、漫画の中のコマとして描かれてるからこそ、一見、現実味のないような感情も納得できるものなっていたように思います。でも、それをリアルに落とし込もうとすると、なかなか難しいところがありました。漫画の世界観を消さないように、演技の“足し算と引き算”でやってました。例えば、コメディのパートだったり感情を出すときには振り切ってやる。その上で、隊長の芯になる部分さえぶれずに演じれば、振り切ってもちゃんともとに戻れるはずだと。監督とも相談しながら演じていました。

浅香航大(以下、浅香):イチイという役柄は、この4人の中ではけっこう人間味が強いんじゃないですかね。コメディのお芝居のところでは振り切って演じました。ただ、宇宙人だっていう設定があるので、イチイという人物が実像として違和感のないように、本気で挑みました。そこが説得力になったり面白さになっていたかと思います。でもなんか、普段のキャラからすると、俺のほうがサイっぽくない?

堀井:僕と逆でもいいのかも。

浅香:普段の性格と逆だから演じてて面白いってところもあったよね。

小越勇輝(以下、小越):僕が演じたニイって人はすごい器用で、なんでもこなせちゃうところがあったんです。でも、僕自身がそうでもなくて不器用なので……。

一同:いやいやそんなことないよ。

小越:そこまで努力しなくてもいろんなことができちゃう人の気持ちは、不器用な僕にはわからないところもありました。だから、そういう人って、実際にはどんな気持ちだろうと思いながら演じてました。それ以外のところで言うと、ニイはかわいらしいキャラクターなんですけど、僕自身の中身で言うと、あんまりかわいい性格でもないと思ってるんです。今回は、周りの方が、「かわいいね」って言って愛情を注いでくれたので、そのおかげでかわいくいられたなと思います。

堀井:実際かわいいから大丈夫だって! 存在がかわいいから。

小越:いやいや……すごくよくしていただいて。

志尊:謙虚! でも間違いないよ。

――今回、演じる上で苦労したところはありますか?

浅香:そんなになかったです。みんな個性が違っていたし。まあ緑色の人(堀井演じるサイ)が、ダンスのときに肩があがらなかったことくらい(笑)。なんかあったとしたら、それくらいですかね。

堀井:衣装は採寸して作ってもらったんですよ。でも、この撮影の頃、ちょっと体を大きくしないといけないということもあって……。そしたら、肩がパンパンになっちゃって。

志尊:あれ、衣装の関係で上がらなかったの?

堀井:衣装がパツパツになったのと、肩が痛かったのと両方かな。

志尊:撮ってるときは全然気づかなかったけど、後で見ると、ひとりだけほんとに腕を回す角度とか違ってたもんね(笑)。

浅香:確かにやってたときは、もう周りのことなんて気づかなくて、自分のことで精一杯だからね。でも仕上がりを見たら、それぞれのキャラにあった歌い方とか踊りとか、表情とかがあって、改めて、個性を生かした仕上がりになってました。

――志尊さんは歌を下手に歌うシーンもあったりして。

志尊:ト書きには、歌を下手に歌う、としか書いてなかったですし、下手に歌う指導とかはなかったので、僕が思う“隊長らしい下手さ”をとことん追求してやったつもりです。でも、全部の音を外すって難しかったし、みんなもつられて変になったりして(笑)。

――コメディをがっつりやるということもなかなか珍しいのかと思いますが。

志尊:ここまでコメディ要素が強いのはやったことがありませんでした。ただ、僕はコメディだと思ってなくて、がむしゃらにやる過程が笑いに行く感じだと思ってやっていました。本作のような作品は経験がなかったので、監督にすごく頼って、「こういう風にやったら面白いんじゃないかと思うんですけど、どのタイミングでやったらいいですかね」とか、「どのくらいの間がいいですかね」とか「逆になんかありますか」っていう風にディベートして。軌道に乗るまでは、監督の助言をいただきながら一緒に作っていきました。ある程度慣れてきてからはいろんなことをやろうと思ってアドリブも入れて。それもけっこう使ってもらいました。

――アドリブは多くあるんですか?

志尊:いっぱいありますよ、半沢直樹のモノマネするときは、前室で話し合って、「ちょっとリハーサルで試してみない?」ってことになって。で、全力で間をたっぷりとってやってみたら、それでいきましょうってことになったんです。原作は4巻もあるから、それをまとめるのは大変だけど、その分、セリフのない部分でも、ふくらませたいなと。

浅香:僕も遊べるときは遊びましたけど、『半沢直樹』の香川さんのマネをしたのは、本当に正解だったのかなって思う気持ちもいまだにちょっとあるかも(笑)。

志尊:あれは絶対に正解! それ以外にもドラマと映画では同じ場面でも、カットが違っていたりするんです。ドラマでは僕の顔しか映ってなかったカットが、映画では引きになって、全員の表情が見えたりする部分もある。その意味でドラマと映画ではまた捉え方が違うと思いますし、そういう楽しみ方をしてもらいたいです。

――映画の最後には、NG集もあって、すごく和気あいあいとした雰囲気も伝わってきました。

志尊:やっぱり笑いを誘発するようなシーンは多かったですが、その空気が素敵でした。あと、メンバーが所属する事務所の社長役を演じた徳井(義実)さんが場の空気をなごませてくれたので、それで笑いが止まらないということもあって。本当に楽しい現場でした。

――みなさんの中には、ドルメンXのようなアイドルになってみたいという願望はありましたか?

堀井:アイドルじゃないけど、テレビに出たいって話でもいいですか?

志尊:そこはアイドルになりたいでいいんじゃない?

堀井:そっか。アイドルって確かに子供のころから見ててもキラキラしてるし、スポーツカーに乗ってるってイメージが勝手にあって(笑)。僕は小さいときから人前に出るのが大好きで、全校集会とかあったら、話すこともないのに、とりあえず人前に出てしゃべりたい人だったんですよ。いい意味でサイのイメージは裏切ってますよね(笑)。

志尊:僕はずっと芸能界とは無縁だと思ってたんです。だから、目指してるというよりも、新しい世界をみてみたいという探求心で入ったんです。

一同:かっこいいーーー!

志尊:だから、僕は最初から事務所に入ったんではなくて、養成所で芸能界ってものがどのようなものかを知りたいというのが第一にありました。

浅香:僕の場合は……なんだろな。幼いころって、芸能界の中でのアイドルとか俳優とかの違いがわからないですよね。テレビに出てる人ってイメージだったんで。だから、あんまり記憶がないんですよね(笑)。

小越:僕もアイドルになりたいと思ったことがなかったですね。人前で歌ったり踊ったりがはずかしいし苦手だと思ってたので。歌えないし、踊れないのに何で人前でやらないといけなんだろうと思ってたくらいだったんで。

堀井:だから完璧主義者なんやな。俺なんかぜんぜんダメでも出たいもん。

浅香:サイと真逆じゃん?

志尊:これ以上しゃべらないでもらっていい? サイのイメージが崩れるから(笑)。

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