矢本悠馬が語る、『半分、青い。』ブッチャー役で得た演技の幅 「答えは脚本に隠されている」

『半分、青い。』矢本悠馬インタビュー

 最終回まで残り約1ヶ月となった『半分、青い。』(NHK総合)。映画監督の道へと再び向かう涼次(間宮祥太朗)と別れた鈴愛(永野芽郁)は、ひとり娘の花野(山崎莉里那)を連れて故郷の岐阜・梟町へ。傷心の彼女を温かく迎えたのは、幼なじみの梟会の面々だ。

 リアルサウンド映画部では、梟会のメンバーの1人であり、本作『半分、青い。』の中で、1番のムードメーカーであるブッチャーこと西園寺龍之介を演じる矢本悠馬にインタビューを行い、役についてや撮影時のエピソード、今後の展望について話を聞いた。

“ブッチャー”をもっとたくさん観ていただきたい

ーー『半分、青い。』でブッチャーを演じて周囲から反響はありましたか?

矢本:登場するとTwitterが盛り上がったり、覚えてもらったりというのがシンプルに嬉しいです。ブッチャーというキャラクターを受け入れていただいたり、役者としてインパクトが残せていたりするのだなと捉えています。「東京編」ではしばらく登場がなかったので、忘れられていないか心配だったんですけど、久々に登場すると思った以上に反響が大きくて嬉しかったです。でも、矢本悠馬がブッチャーに食われた感じですね(笑)。僕の名前じゃなくて、キャラクターの名前がトレンド入りだったので、インパクトが大きかったのかなと。

ーー演じる上で意識していることは?

矢本:ブッチャーは見た目が派手で、抜けているところがあるイジられキャラです。でも、それでいて温かみがあって、器が大きく、丸みのある人物で接しやすい。そんな感じが出せればいいなと思っています。あと、観てくださっている方々の中に“ブッチャー像”があると思っていて、僕の知らないところで彼が独り歩きしているような気がするんです。だから、皆さんの想像に勝つ“ブッチャー像”を出していかないといけないなと。具体的な演技面では、他のキャラクターたちと比べてアップテンポなセリフ回しで演じようと心がけています。コメディパートなので、ゆったり喋るよりはリズミカルに喋ることを徹底しているんです。その方が明るく見えたり、キャラクターとして気楽な感じに見えたりするのかなと。なので、期間が空いて久々の撮影の時に普通のスピードでセリフを喋ると、「遅くない?」と監督に言われます(笑)。ブッチャーが出てくると、どんなシーンであってもお茶の間が少し明るくなるといいなと考えながら演じています。

ーー朝ドラは1人のキャラクターを長期にわたり演じなければいけません。自身の年齢より歳を重ねていく難しさはありましたか?

矢本:ブッチャーって、ずっと変わらない人なんじゃないかと思うんです。目立ちたい、モテたいという気持ちが、たぶんファッションや髪型に出ている。何歳になっても自分が若いと勘違いしていて、常に青春しているのかなと。精神面ではあまり歳を取らせないようにしようと思い、若い時からの“ブッチャー感”を残すように演じていました。そこに、おじさんっぽい言い回しを足して年齢を重ねている感じを見せていこうと。ひとつのキャラクターを長期間演じることに関しては、大河ドラマが1年だったので、正直「もう終わっちゃうの?」という感じです。まだまだブッチャー熱あるよ。不完全燃焼だよと(笑)。

ーー不完全燃焼……それはブッチャーというキャラクターだからこそだと。

矢本:そうですね。

ーーそう感じてしまう理由は何でしょう?

矢本:まだまだやれる、まだまだやりたい、ブッチャーをもっとたくさん観ていただきたい。ただそれだけの気持ちです。もっと色んないいところがあるし、やっぱりブッチャーのことが好きなんです。刹那の爆発力があっていいですよね(笑)。合コンにいたら助かる、家族の中にいたら助かる、そんな便利な男なんです。そこをもっと出せたらなと。

ーーブッチャーと矢本さんの重なる部分は?

矢本:彼は素直で、自分の言葉に嘘がない人だと思っています。思ったことを言ってしまうところは僕自身と似ていると感じます。

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