加藤シゲアキが初めて苛立ちを見せる 『ゼロ 一獲千金ゲーム』紡がれた真の友情

『ゼロ 一獲千金ゲーム』紡がれた真の友情

 極秘裏に集められた若者たちが賞金1000億円を賭け「命がけのゲーム」に挑むドラマ『ゼロ 一獲千金ゲーム』(日本テレビ系)、その第8話が9月2日に放送された。これまで主人公・宇海零(加藤シゲアキ)はさまざまなゲームに挑戦し、裏切りや命の危機に晒されながらも果敢に勝ち進んできた。そんな彼が第8話で挑戦したのは21人の参加者で臨む「魔女の館」。参加した21人を先導することになるが、彼らのゲームに対する意識はバラバラであり、零は統率に苦労する。

 そんな第8話の見どころは、零の人間味に溢れた姿と、零をサポートとする仲間たちの姿だ。零によって命を助けられた義賊仲間の3人やセイギ(間宮祥太朗)、ユウキ(小関裕太)によるサポートが、21人の統率と難題に苦しむ零をピンチから救い出すのだ。

 「捕らわれの21人が、生きて出る方法はただひとつ。この部屋にかけられた魔女の呪いを解くこと」。「魔女の館」から21人が生還するには、部屋に隠された「見えない数字」を解く必要がある。零は「数式から答えが導き出せる」と、数式の計算への協力を促すが、零を信頼していない数人が反乱を引き起こす。

 零を演じる加藤は、非協力的な挑戦者に対する零の苛立ちや、21人の命を背負う責任感と焦りを表現していた。第8話では、零が非協力的な挑戦者に対して怒鳴るシーンがある。一緒にゲームに取り組む人に対して、零が怒鳴ることは珍しい出来事だ。セイギに苛立ちを指摘され、すぐさま我に返るものの、今までのゲームとは比べものにならない責任の重さを、零は感じていたのではないだろうか。加藤が見せる焦りや戸惑いの演技は、ゲームに参加している若者たちと変わらない、ありふれた苛立ちや焦りとして表現されている。その“普通さ”は零の人間味を表す。“天才勝負師”と謳われる零だが、彼は正義感の強い“普通の”若者なのだ。

 零の人間味を表現するのは、加藤の演技だけではない。零に命を救われた義賊仲間の3人やセイギ、ユウキが見せる零への信頼が、零の人間味を物語っている。彼らの信頼は、零の“天才勝負師”の姿には向けていない。零がゲームに勝ち進んでいく姿を頼ってはいるものの、彼らが信頼しているのは“正義感の強い1人の青年”としての零だ。

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