有村架純、岡田健史のために全てを捨てるが…… 『中学聖日記』が描く理想と現実のギャップ

『中学聖日記』有村架純が全てを捨てる

 『中学聖日記』(TBS系)第10話ではついに、聖(有村架純)と晶(岡田健史)は晶の父・康介(岸谷五朗)が住む島を離れ、東京に戻ってくる。晶への愛を確信した聖の表情は今までとは違い、どこか晴れやかだ。晶もまた、周囲からの理解を得られるよう励むと口にする。何を言われても揺るがない思いを持った2人は、その心の内を隠したり、外部を拒絶したりすることをもう止めるという決意を、東京へ向かうフェリーの中で固める。

 彼らの前に待つのは現実だ。晶の母・愛子(夏川結衣)と出会った聖の母(中嶋朋子)は、怒りのあまり聖を叩き涙を流す。翌日、聖は母と共に、愛子の元に謝罪に出向く。しかし、意を決した聖は「黒岩くんが好きです」「できません、もうこれ以上嘘をつき続けることは」と強い口調で主張し、晶が心変わりするかもしれないと言われても「後悔しません」と語る。

 新井順子プロデューサーがインタビューで語っていたように、10話の聖は決してブレずに自分の道を突き進む。しかし、そうすることで失うものが大きいことは確かであり、聖もそれを自覚し、傷つく。聖の母は、法的措置も考えると口にする愛子に対して、「どうかそれだけは」と土下座までするのだ。聖はそんな母の様子に申し訳なさを感じながらも、それでもボロボロになりながら、晶と歩む道を目指していく。

 小宮第一小学校に戻り、聖は教職を辞める意向を伝えると、復職のきっかけを作ってくれた千鶴(友近)からも「もう教師をやる資格はない」と言われる。聖は夢だった教職も、最大の理解者でもあった千鶴をも失ってしまったのだ。

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