映画は多様化、国内ドラマは恋愛モノ強し! リアルサウンド映画部「2018年 年間ベスト」総まとめ

RS映画部「2018年 年間ベスト」総まとめ

 リアルサウンド映画部のレギュラーライター陣が、映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメ、今年輝いた俳優たちの5つのカテゴリーに分けて、本年のベスト作品&人物をランキングする年間ベスト企画。これまで掲載した全16回を総まとめ。

映画

 今年の映画TOP10は、例年になく幅広いラインナップになったと言えるだろう。作品かぶりはあまりない一方、『君の名前で僕を呼んで』『ウインド・リバー』『オンリー・ザ・ブレイブ』『スリー・ビルボード』『アンダー・ザ・シルバーレイク』などは、2名から選ばれる結果に。また、アジア映画(特に韓国)の熱として、本国でも大ヒットを記録した『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』やホン・サンス×キム・ミニ『夜の浜辺でひとり』、また邦画からは『万引き家族』『寝ても覚めても』『きみの鳥はうたえる』などが選ばれている。

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国内ドラマ

 全ライターのベスト10に選ばれたのは、唯一『おっさんずラブ』のみ。社会的ブームとなった本作が象徴するように、今年は、既存の枠組みにとらわれない“恋愛ドラマ”が多く見られる1年となった。志尊淳演じるトランスジェンダーを主人公とした『女子的生活』や、 町の産科医を舞台に女性の様々な事情と思いを丁寧に描いた『透明なゆりかご』、“教師と生徒の禁断の恋”というモチーフを新しい視点から切り取った『中学聖日記』なども高く評価されている。

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海外ドラマ

 海外ドラマ部門では、全2名のライターがベスト10を選出。そしてその2人がベスト1に選んだのが、『ジ・アメリカンズ シーズン6』だ。レーガン政権時代、ワシントンDC近郊に潜伏するソ連のスパイ夫婦の生活を追った冷戦時代ドラマのファイナルシーズン、見事な幕切れは必見。また、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 シーズン2』『KIZU-傷-』『GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング シーズン2』なども、見事2名のベスト10にランクインを果たしている。

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アニメ

 今年の劇場アニメを代表する2作として、『リズと青い鳥』と『若おかみは小学生!』は欠かせない。そして、両作品で脚本を務めている吉田玲子は、今のアニメ界のキーマンと呼べる存在だろう。2019年は、 湯浅政明監督の新作アニメーション映画『きみと、波にのれたら』に参加することも決定している。また、Netflixオリジナルシリーズ『DEVILMAN crybaby』、中国アニメ『紅き大魚の伝説』などがランクインしている点も見逃せない。

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今年輝いた俳優・女優

 ドラマ・映画界で輝いた10代後半〜30代前半の若手俳優を選出。特に俳優部門の平野紫耀や萩原利久、女優部門の浜辺美波、今田美桜らは2019年も活躍も気になるところ。東出昌大や石原さとみなど、作品や役柄との恵まれた出会いにより、さらに飛躍した演者たちの今後にも期待が高まる。

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(構成=編集部)

※メイン写真は『スリー・ビルボード』(c)2017 Twentieth Century Foxより

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