『トレース~科捜研の男~』船越英一郎を懐柔できるのは小雪だけ? 唯一無二のポジションを確立

『トレース』小雪の好演が光る

 2000年代のクールビューティーな女優の代表格である小雪は、年齢を重ね、結婚・出産を経験し、最近はクールながらも優しさも滲み出る役柄が似合う役者となっている。今シーズンの月9ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)では、錦戸亮演じる主人公・真野礼二の暴走をフォローし、新木優子演じる新人研究員・沢口ノンナの成長を温かく見守る法医科長役を好演。小雪ならではのポジションを確立したと言える。

 小雪のキャリアのスタートは、高校3年生(1995年)の時に応募したファッション雑誌『non-no』(集英社)の読者モデル。その後、専属モデルとして活躍し、170cmの身長と凛とした佇まいで、2000年にはパリコレにも参加するほど注目される。モデルと並行してドラマ初出演を果たしたのが、1998年の織田裕二と香取慎吾の共演で話題となった『恋はあせらず』(フジテレビ系)。日本のトップモデル役としてヒロインを演じ、世間がイメージする美しくワガママな"これぞトップモデル"という存在感を既に見せていた。

 ただ、『恋はあせらず』出演は、新進気鋭のモデルがドラマに抜擢されたパターン。女優としてその存在感を発揮したと言えるのが『池袋ウエストゲートパーク』 (2000年・TBS系)だ。長瀬智也をはじめ、窪塚洋介や山下智久など、次世代を担う役者たちが集結し出世していったこのドラマで小雪は、マコト(長瀬)の実家である真島フルーツのパート従業員になり、後に組長の愛人と判明するミステリアスな役を演じる。この時代の小雪が演じる役柄は、若くしてどこか達観しているような、知的でプライドが高い役が多い印象だが、同世代が集まったこのドラマだからこそ、他とは一線を画すクールな魅力が発揮され、他の役者と同様に女優としてステップアップした作品だと言える。

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