『僕の初恋をキミに捧ぐ』なぜ映画からTVドラマへ? “少女漫画実写化ブーム”にも変化が

『僕キミ』から考える少女漫画実写化

 1月19日よりテレビ朝日系列の「土曜ナイトドラマ」枠でスタートした『僕の初恋をキミに捧ぐ』。2005年から2008年まで「少女コミック」(小学館)で連載されていた青木琴美の人気漫画を原作にした本作は、心臓病を患い20歳まで生きられないと知った垣野内逞(野村周平)と、彼の初恋の相手で主治医の娘でもある種田繭(桜井日奈子)を主人公に、2人の純愛を描くラブストーリーだ。

 10年ほど前(2009年10月)に岡田将生が逞を、井上真央が繭を演じて映画化されているこの原作。当時の日本映画界の潮流を思い返してみると、その数年前に『世界の中心で、愛を叫ぶ』が大ヒットを記録したことに端を発する、いわゆる“難病もの”ブームが徐々に終息期へと突入し、その一方で後々一時代を築くことになる“少女漫画原作映画”が徐々に増えはじめた時期でもある。そう考えると、同作はブームとブームの橋渡しをつとめた重要な作品であったといえるだろう。

 しかしながら、すでに映画として実写化されているにもかかわらず、何故ふたたびこうしてテレビドラマという形で映像化されたのか。それは昨年で創刊50周年を迎えた「少コミ」の記念プロジェクトの一貫で、過去の人気作や「少コミ」を代表する作品を映像化する目的があったと言ってしまえばそれまでなのだが、ここはひとつまったく異なるキャスト・スタッフで、かつ映画からテレビドラマへとメディアを変えて映像化するメリットについて考えてみたい。

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