西野七瀬、乃木坂46卒業で「女優」としてステップアップ 『あなたの番です』が勝負作に?

 乃木坂46を卒業し、卒業後のソロ活動の一環として本格的に女優の道を歩み始めた西野七瀬。今クールの『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』(テレビ東京系)に続き、4月期に日曜ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)出演も決定している。乃木坂のエースだった彼女なだけに、女優・西野七瀬の活躍に期待する声も大きい。そこで今回は、西野の過去作を振り返りつつ、女優としての可能性を考察してみたいと思う。

 女優としての西野を振り返ると、ドラマ初出演は2013年放送の『49』(日本テレビ系)。スクールカーストのトップとも言える学園のマドンナ的存在でドSなヒロインを演じている。今なら白石麻衣が似合いそうな役柄だが、2015年に『non-no』の専属モデルになる前の西野は、茶髪で若干ギャル風の容姿だっただけに、ドSでグイグイくる感じが当時の西野に実にハマり役だったように思う。ドラマの植野浩之プロデューサーは「女の子が見てもかわいいと思う学校の中で頂点に立つルックスと、本質的に愛を求める寂しがり屋なところを併せ持っている」と起用理由について説明。今見ると、これ以降演じられる女優・西野七瀬のキャラが全て詰まっていたような、まさに原点となる作品だ。

『あさひなぐ』(c)2017 映画「あさひなぐ」製作委員会 (c)2011 こざき亜衣/小学館

 以降はロングヘアーをボブにし、段々とナチュラルなガーリー系のルックスとなっていき、人気は急上昇、乃木坂のヒロイン的ポジションに君臨。2015年の乃木坂46初主演ドラマ『初森ベマーズ』(テレビ東京系)や、2017年の映画『あさひなぐ』など、乃木坂主演の作品で主役を任せられる。乃木坂での透明感があるイメージは崩さず、純粋で儚く、何事も一生懸命頑張る、少女漫画に出てくるようなキャラがハマり、『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』(テレビ東京系)の主人公・天野アイ役が、乃木坂時代の一つの集大成と言える。最初は西野の演技に賛否両論はあったものの、前半の明るいキャラから後半にかけての儚い雰囲気、そして常に温もりを感じる演技は、最後まで見ると、天野アイという人工的美少女の儚さを表現するには西野以外のキャスティングはありえないと思えるほど。80年代のアイドルのような、演技力を超えた魅力というものが西野から伝わってくる。

 ただ、女優としてのさらなる可能性を感じたのは、2016年にネット配信された『宇宙の仕事』。『勇者ヨシヒコシリーズ』などを手がける福田雄一監督なだけに面白い演出というのもあるが、地球防衛軍のかわいい新メンバーという役柄で、いつものイメージとは違い、あざとい演技を見せている。宇宙侵略を狙う山本美月と言葉のタイマン対決で、猫を被る山本に「おいばばあ、可愛子ぶってんじゃねーよ」と悪態を付き、「ブサイク」と言い返されると、「地球の男はみんなあたしに夢中やいうてオラ」と、さすが大阪出身なだけに関西弁でまくしたてる演技が自然で、迫力があり、実に面白いのである。ここで演技が開花したかと思われたが、関西弁で凄む演技はそれ以降の作品では封印されてしまう。

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