コリン・ファレルが語る、実写版『ダンボ』に込められたメッセージ 「違いを受け入れることが大切」

コリン・ファレル『ダンボ』インタビュー

 ディズニー・アニメーションの傑作を『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』のティム・バートン監督が実写映画化した『ダンボ』が、3月29日より公開された。世代を超えて愛され続ける『ダンボ』の新たな物語となる本作は、メディチ・サーカスで生まれた“大きすぎる耳”をもった子象の“ダンボ”と、ダンボの世話を任されたホルト家族の交流を描いたファンタジー・アドベンチャーだ。

 今回リアルサウンド映画部では、ミリーとジョー2人の子どもをもつ、メディチ・サーカスで曲芸乗りだった元看板スターのホルトを演じたコリン・ファレルにインタビュー。本作のメッセージから、初タッグとなったバートン監督や自身の息子たちについて、さらに出演する作品選びについても話を聞いた。

「オリジナル版にはなかった人間たちの物語も加えられている」

ーーディズニー・アニメーションの名作を実写化するというアイデアを初めて聞いたときの印象はどうでしたか?

コリン・ファレル(以下、ファレル):僕はティム・バートンが監督を務めることがすでに決まった段階で話をもらったから、ティムのポテンシャル抜きにこのプロジェクトのことを考える余地がなかったんだ。とにかく最初に話をもらったときから、ティムとダンボの組み合わせは、視覚と題材の美しい“結婚”だと思ったよ。ティムの想像力を見事に使ったビジュアルで、心優しいストーリーが描かれると確信していたんだ。

ーー今回の実写版では、アニメーション版とはストーリーがかなり異なっていますよね。

ファレル:そうだね。1941年のオリジナル版はもちろん美しいよ。核にあるのは、属する場所がなく、バカにされて、排除されてきたキャラクターが、またコミュニティに受け入れられていくという物語だけど、ダンボはお風呂に入ったり電車に乗ったりと、わりと裕福な状況にいた。一方この作品では、動物がサーカスにいることをよしとしない、彼らが幸せそうではないというのもオリジナル版とは違うところで、20世紀前半に実際に起こった、動物たちを見世物にする動物園を少し批判するような作りにもなっているんだ。それと同時に、オリジナル版にはなかった人間たちの物語も加えられている。それが、僕が演じているホルトと、ミリーとジョーの2人の子どもの関係性だね。ホルトは戦地からサーカスに物理的には戻ってくるんだけど、親と子としてうまく繋がることができない。でも、物語が展開していく中で、再びホルトは子どもたちと繋がることができるようになり、父親であることを取り戻すんだ。

ーー実際に2人の子どもがいるあなたとも共通点は多かったのではないでしょうか。

ファレル:どうかな……。でも、僕の長男は障害を持っていて、僕は普段から人との違いは祝福すべきだという考えでいるんだ。だから、僕自身がとても大切にしていることにも触れているこの作品に共感できたのは間違いないね。

ーーお子さんはもう作品を観ているんですか?

ファレル:上の子はまだ観ていないけど、下の子はすでに観て気に入っていたよ。でも彼は僕にそこまで興味がないから、あまり具体的な感想はなかったけどね(笑)。悪役だったからすごく嫌がられた『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』よりはましだったよ(笑)。

ーー(笑)。あなたは過去に乗馬シーンもたくさん経験していますが、今回も見事な乗馬シーンを披露していましたね。

ファレル:馬に乗るのはそんなに簡単ではないけれど、すごく楽しくて好きなんだ。技術的にいい乗り手にはなれないと思うけど、どんな馬も乗りこなしてやろうという強い思いは持っているよ(笑)。馬は本当にエレガントで美しい生き物だから大好きなんだ。象もそうだけど、感情が詰まっていて、すごく直感的でもある。馬が人間に仕えるのではなく、いつもお互いのやりとりや対話がある感じだね。

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