福山雅治が“仕事をする理由”を正面から問いかける 『集団左遷!!』嵐の予感をはらんだ第1話

『集団左遷!!』福山雅治が“仕事をする理由”を問いかける

 「私が支店長ですか!?」。

 4月21日に第1話が放送されたドラマ・日曜劇場『集団左遷!!』(TBS系)で、三友銀行に勤務する片岡洋(福山雅治)は蒲田支店長の辞令を受ける。

 合理化を進める三友銀行にとって業績のふるわない蒲田支店は廃店候補のひとつであり、12年前に合併した大昭和銀行の本店が蒲田支店だった。合理化を中心になって進める人事担当の常務取締役・横山輝生(三上博史)からは「頑張らなくてけっこうです。余計なことは何もしないでいただきたい」とさっそく釘を刺される。無事に廃店となった暁には、片岡らの身分は銀行が保証すると言うのだ。

 メガバンクが相次いで合理化を進め、AIによる人員削減やフィンテック企業の台頭など、銀行を取り巻く状況は厳しさを増している。『集団左遷!!』でもいわゆるリストラ対象とされた支店には不可能な融資目標が示され、達成できなければ支店まるごと取り潰される。行員の身分も保証されない。

 本部の命を受けて蒲田支店に乗り込んだ片岡を待ち受けていたのは副支店長の真山徹(香川照之)。「ここは三友系の店とは違って時間がゆるやかですから」と真山が語るように、開店30分前になって行員たちが出勤してくる。あくびを噛み殺しながら入ってくる滝川晃司(神木隆之介)。ようやく支店長第一声と思った矢先、法人営業2課の平正樹(井之脇海)から着電が。「すみません! YCSが夜逃げしました!」。テラー・木田美恵子(中村アン)の言葉にフロアは騒然とする。片岡は滝川とともに顧客のもとに向かうのだが……。

 冒頭からさっそく前途多難の予感が漂う。半年で100億円という本部が示した融資目標に片岡はどのように立ち向かうのか。実のところ、『集団左遷!!』の放送前には、本部から身分を保証されている片岡が、廃店がなかば決定した蒲田支店に赴任する設定にリアリティを感じなかったが、第1話を見てその疑念は払拭された。「死にたい」が口癖の平を連れて、夜逃げしたYCS社長・米山(平山浩行)を探し回る片岡。いまどきの若者である平を「あきらめたらそこで終わり」、「現場百遍」、「正義は必ず勝つ」と刑事ドラマさながらのセリフで鼓舞する片岡は、いちど引き受けた仕事はやり遂げる熱血漢なのだ。逃走する米山の車にしがみついて追いすがり、カバンを小脇に抱えて走る片岡の姿からは、忘れられつつあるシンプルでひたむきな仕事への情熱が伝わってくる。

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