横浜流星、ブレイクの裏側にあった中堅役者並みの“集中力” 『チア男子!!』脚本家が明かす

横浜流星、ブレイクの必然性とは

 今年に入り、大ブレイクを遂げた横浜流星。1月から3月にかけて放送されたTBS系火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』では由利匡平、通称“ゆりゆり”を演じ、ピンク髪というインパクトを武器に視聴者とヒロインを虜にした。その後も勢いは止まらず、映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』『チア男子!!』でスクリーンを、バラエティ番組でのゲスト出演でテレビを、インタビューや表舞台の露出時にはネットを、何か動きがあるたびに話題を呼んでいる。

 多くの人の心を掴んだ横浜の魅力といえば甘いマスクはもちろんだが、心を動かされる演技にこそあった。現在公開中の横浜が中尾暢樹とともにW主演を務める『チア男子!!』の脚本を手がけている登米裕一氏に、役者としての横浜の魅力を語ってもらった。

「チアの練習から見ているのですが、誰が一番はじめにバク転をできるようになるかという時には、勝負心をさらけ出していたりと、とても負けず嫌いな子なんだなという印象を受けていました。それと、自分と他者の感情への集中力が高い。集中する力って同時に何か別のものを“集中しない”力が必要なのですが、流星くんはカメラ、スタッフに囲まれる中で、芝居空間の線引きができていました。若い役者さんほど、変な自意識が出てしまって、カッコつけちゃったり、人からどう見られているかを強く気にしてしまったり、そこにいない人に集中してしまうことが多いんです。言わば、雑念なんですけど、流星くんはそういう無駄なところに集中せず、感情に集中できているようでした。そういうことは、若手にはなかなかできない中堅役者の渋さだったりするので、突出した演技力を持っている役者さんだなと感じました」

 また、横浜の“芝居”に対する思いが、演技に反映されていると明かす。

「単純に芝居が好きなことが伝わってきます。この気持ちをこの人に伝えたい、とか芝居の本質的なところが好きな俳優なんだろうなと。集中する力って、役者としてはすごく必要な能力だし、手に入れるのに時間がかかってしまう部分ではあるんですけど、彼の今の演技がすんなりフィットしているのは、『芝居が好き』という気持ちが根っこに見えるからなんだと思います」

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