ピクサーの伝統を壊す方法!? 『トイ・ストーリー4』初の手作りおもちゃフォーキー誕生秘話

『トイ・ストーリー4』フォーキー誕生秘話

 7月12日に全国ロードショーされる『トイ・ストーリー4』でシリーズ初登場となる新しいおもちゃフォーキーについての誕生秘話が、デザイン担当者によって明かされた。

 ディズニー/ピクサーの人気作『トイ・ストーリー』シリーズ最新作となる本作の舞台は、前作の“その後”。驚きの結末を秘めた、ウッディの冒険の最終章が描かれる。

 そんな本作で、ウッディやバズだけでなく、ユニークなキャラクターとして注目を集めているのが、自分をゴミだと思っている新しいおもちゃのフォーキー。フォーキーは、幼稚園生の女の子ボニーが工作した“シリーズ初”の手作りおもちゃだ。シンプルだからこそ難しいデザインのフォーキーを生み出すため、40人以上のクリエイターが集結。さらに、実際に“ゴミ”からおもちゃを手作りしてデザインするというピクサーの伝統を壊す手法により、幼稚園の女の子がリアルに作ったような愛すべきおもちゃが誕生した。

 先割れスプーンの体にモールの手、アイスの棒の足と、左右で大きさが違う目玉というシンプルでキュートなデザインのフォーキー。制作陣は、小さい女の子が手作りできるほど簡単でありながら、世界中から愛されるキャラクターを追求し、ピクサー史上異例となる2つの手法が取られた。

 まず1つ目は、40人以上のクリエイターたちが集結したこと。通常ピクサーがキャラクターをデザインする際、5〜8人前後のチームで作っていく。しかし、フォーキーだけのデザインのために、通常の数倍の人数となる40人以上ものクリエイターたちがデザイン制作に携わった。

 2つ目は、実際にゴミやガラクタからおもちゃを作ってデザインされたこと。従来のキャラクターの制作過程は、まずデザインを担当するアーティストたちが下絵を描き、紙の上で試行錯誤しながらデザインが作られていく。しかしフォーキーは、40人以上のクリエイターがゴミやガラクタを使って自由におもちゃを工作。その中から良い部分を組み合わせ、今のフォーキーのデザインが完成した。ウッディとバズのように多色で装飾も多い凝ったデザインに比べて、誰でも作れそうな簡単なデザインのフォーキーだが、だからこそシンプルで可愛いおもちゃを生み出すのは、ピクサーにとっても至難の業だったそうだ。

 フォーキーのデザインを担当したのは、『モンスターズ・ユニバーシティ』のマイクやランドール、『インサイド・ヘッド』のヨロコビやカナシミなどのキャラクターデザインを手がけた、ピクサー歴20年のアルバート・ロザーノ。彼は「フォーキーは子供たちがその辺にあるものを組み合わせて遊ぶのと同じ手法で作られたキャラクターだ。だからとても簡単でシンプルな素材や物で作られており、何もないところからスケッチすることもなくキャラクターをデザインするのは前代未聞のことだったよ。ピクサーに20年以上いてもとても難しく大きなチャレンジだった」と振り返った。

 そんなフォーキーは、本作の物語においても重要なカギを握るキャラクターだ。ウッディは逃げ出したフォーキーを追いかけて新たな冒険が始まっていくが、ウッディとフォーキーは“師弟”のような関係になるとジョシュ・クーリー監督は明かしている。「ウッディは1作目の『トイ・ストー リー』でバズに嫉妬していた。でもウッディはもうそれを乗り越えて成長したから、ボニーにとって一番のお気に入りのフォーキーに嫉妬しないように描くと決めていたよ。おもちゃがどういうことなのか分かっていないフォーキーとウッディが、どんな関係を築くのか楽しみにしてほしい」とコメントしている。

■公開情報
『トイ・ストーリー4』
7月12日(金)全国ロードショー
監督:ジョシュ・クーリー
製作:ジョナス・リヴェラ、マーク・ニールセン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/toy4.html

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