『ノーサイド・ゲーム』ラグビー経験者・福澤克雄の手腕が光る スポーツの試合のような緊迫感

『ノーサイド・ゲーム』大泉洋が仕掛ける先手

 『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)第5話が8月11日に放送された。

 優勝を賭けた王者サイクロンズとの最終戦を前に、絶対的な戦力差という現実が立ちはだかる。「1強15弱」と監督の柴門(大谷亮平)が言うように、日本代表クラスをそろえたサイクロンズのレギュラー陣に対して、アストロズの付け入る隙はないように思われた。一方、社内では、ラグビー部の廃部を主張する常務の滝川(上川隆也)が、カザマ商事買収によって影響力を強めていた。優勝しなければ廃部もある状況で、君嶋(大泉洋)はサイクロンズ戦に向けて先手を打つ。

 柴門とサイクロンズ監督・津田三郎(渡辺裕之)の確執が報じられる中、君嶋は合同記者会見を持ちかける。その狙いはサイクロンズ有利という世間の声を打ち消し、柴門の思いを選手たちに伝えることにあった。自身を城南大ラグビー部から追い出した張本人である津田の前で、柴門は「大先輩である津田さんに失礼のないよう、徹底的に叩きつぶします」と言い放つ。その言葉が、浜畑(廣瀬俊朗)たち選手の闘争心にも火をつける。

 ドラマ前半のクライマックスとなった第5話で描かれたのは、「柔よく剛を制する」戦術の機微だった。徹底的に相手チームを分析する中で、プレー中断から再開までのわずかな時間(リロード)に勝機を見出すアストロズ。日本代表SH(スクラムハーフ)の里村(佳久創)がマークされることを予想して、控えSHの佐々(林家たま平)を中心にパス戦術を構築する。第2話でチームのポテンシャルを引き出す「1×15=100」という公式が登場したが、ライバルの一歩先を行くアイデアと秘密兵器といえる新戦力が、アストロズ本来の武器であるスクラムを生かす結果になる。絶対王者を相手にしたアストロズは、サイクロンズを相手に一歩も引くことなく互角の勝負に持ち込んだ。

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