『ライオン・キング』上々の滑り出しで、この夏の「ディズニー3本の矢」はすべて命中

この夏の「ディズニー3本の矢」はすべて命中

 先週末の映画動員ランキングは、『ONE PIECE STAMPEDE』が土日2日間で動員59万8000人、興収8億600万円をあげて初登場1位に。金曜日の初日から8月12日の祝日までの4日間の累計は、動員125万4400人、興収16億4600万円という堂々たる成績。『ONE PIECE』の劇場版が公開されるのは、2016年7月に公開されて最終興収51.8億円を記録した『ONE PIECE FILM GOLD』以来3年ぶりとなるが、初動成績の集計期間や曜日を勘案するとほぼ横ばいの数字。他にも子供を含む観客の年齢層の広い作品がひしめく2019年の夏休み興行の中、どこまで好調が維持できるか?

 初登場の順位は『ONE PIECE STAMPEDE』に続く2位となったが、同日に公開された『ライオン・キング』も好調だ。土日2日間の成績は動員49万7000人、興収7億2800万円。4日間の累計では動員98万4000人、興収14億400万円と、こちらも上々の滑り出し。お盆に入ってからも『ONE PIECE STAMPEDE』とトップ争いのデッドヒートを繰り広げていて、大規模公開の新作がない今週末は1位を十分に狙えるポジションにつけている。

 ディズニー配給作品としては、これで6月公開の『アラジン』(8月12日時点の累計興収116億8000万円)、7月公開の『トイ・ストーリー4』(8月12日時点の累計興収78億5700万円)、8月公開の『ライオン・キング』と、それぞれ実写作品、アニメーション、フルCGIアニメーション(日本のディズニーの呼称では「超実写版」)と異なるフォーマットの3作で連続して大ヒットを飛ばしたことになる。

 先週末、『アラジン』が公開11週目にして初めてトップ10から脱落(11位)したように、こうして毎月大ヒット作が出るということは、同じ配給会社の作品としてのスクリーン数確保の上でも、興行全体における集客の分散においても、先行作品の「数字の伸び」という点では不利に働くことになる。ディズニーのヒット作の日本における興行は息が長くなる傾向が強いので、なおさらだろう。特に今回の『アラジン』は現時点で年間トップの座に立っているだけに、その約1ヶ月半後に公開されてから猛烈な勢いで追いかけている『天気の子』に対して為す術もない状況だ。

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