中川大志が明かす、『なつぞら』イッキュウさんから受けた刺激 「熱量だけは失っちゃいけない」

中川大志が明かす、坂場役から受けた刺激

 『なつぞら』(NHK総合)も最終盤に入り、なつ(広瀬すず)は仕事に子育てと大奮闘している。

 主人公の長い人生を描く朝ドラでは、主人公の結婚相手がトピックに上がる。朝ドラ第100作として放送が始まった本作では、序盤から魅力的な男性キャストが数多く登場し、いったい誰がヒロイン・なつの相手役を務めるのか、視聴者の間でも盛り上がりを見せた。

 なつの幼なじみ、天陽(吉沢亮)や信哉(工藤阿須加)など様々なキャラクターのなか、その座を射止めたのがイッキュウさんこと坂場一久だ。坂場を演じる中川大志に、第84作『おひさま』以来の朝ドラカムバックとなった心境や、撮影の際に考えていたことを語ってもらった。

「第一印象は本当に『こいつめんどくさい(笑)』」

ーー朝ドラに帰ってきたお気持ちはいかがですか?

中川大志(以下、中川):僕は小学校6年生の時に『おひさま』に出させていただいて、それ以来8年ぶりに朝ドラのオーディションに呼んでいただいて嬉しかったです。

ーー中川さんの出演が決まってから、役が決まるまで時間がかかったと聞きました。

中川:オーディションに受かった後半年くらいは、どんな役かもわからない状況で、「本当に出るのかな?」と徐々に不安になってきました(笑)。作品が北海道でクランクインした頃に、ようやく坂場の出番のある台本をいただきました。

ーーその当時は、坂場という役柄をどう感じました?

中川:第一印象は本当に「こいつめんどくさい(笑)」という感じでした。なつをはじめ東洋動画の周りの人からの第一印象もすごく悪くて、今まで全くいなかったような新人が入ってきたという異物感のある登場だったので。なつの旦那さんになるという話も聞いていたのですが、この2人がどう夫婦になっていくのか全く想像がつかなかったんです。でも台本を読んでいくうちに2人だからこそ、生まれるものがあるなと。印象に残っているのは、最初の頃に「アニメーションにしかできない表現は何ですか?」という話をしていて、坂場がなつに「それはあなたが自分で考えてください」と言うんです。そしてその週の最後に、「あり得ないことも、本当のように描くことです」と答える。なつが馬の前足を4本描いたことに対してのセリフでしたが、なぜ「自分で考えろ」と言ったのに結局自分の答えを言っちゃうんだろうと。それを考えた時に、なつは言葉じゃなくて絵で答えを出したんだなと思ったんです。2人の関係性は、なつが感覚的に魂をぶつける人で、それを坂場が言語化して導いていくという形なのかなと。坂場にはない発想力や生み出すエネルギーをなつは持っていて、なつにはできないことを坂場は説明できたりとか、お互い足りないものを補い合っていく関係性なのかなと思いました。

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