『いだてん』第37回「最後の大舞台」を前に知っておきたい嘉納治五郎(役所広司)の功績

『いだてん』嘉納治五郎の功績

 毎週日曜日に放送されている大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)。役所広司演じる嘉納治五郎の「最後の大舞台」となる、明日9月29日放送の第37回を前に、スポーツ史考証担当の筑波大学教授・真田久よりコメントが寄せられた。

 宮藤官九郎のオリジナル脚本をもとにした『いだてん』は、昭和39年の東京オリンピックまでの半世紀にわたる日本とオリンピックとの関わりを描くドラマ。

 第37回「最後の晩餐」では、治五郎(役所)は開催決定した1940年東京大会の準備を進めるが、日中戦争が始まった日本では五輪反対論が沸き起こる。理想のオリンピックとは程遠い状況に激しく葛藤する田畑(阿部サダヲ)を金栗四三(中村勘九郎)が訪ね、五輪へのあふれる思いを語り合う2人。嘉納はエジプトでのIOC総会に参加し日本開催を危ぶむ声を封じ込める。帰国の船で乗り合わせた外交官・平沢和重(星野源)に、自らの夢を語るが……。

 真田は『いだてん』の治五郎について、「これまで神様のように奉られてきた存在でしたが、人間味のある人物として描かれている」と語り、本作の治五郎は実像に近いという。

 治五郎が日本のスポーツ、特にオリンピックに果たした功績は非常に大きい。真田は「日本でのオリンピックの開催の意義を世界に認めさせた。アジアでの初開催だけではなく、オリンピックを世界の文化にするために日本開催が必要だということを 世界の人々が認めたということです」と、その功績を称える。

 続けて、「オリンピックの理念にはスポーツによる平和な社会の建設という理想があるので、日本での開催により、治五郎の提唱する『精力善用・自他共栄』(スポーツや教育で得た自身の力を目的に応じて効率よく活用し、特に他者のために尽くすことで、自分と他者がともに繁栄すること)の考えを広め、平和な社会を実現しようと考えていました」と、治五郎の行動の根底には、強い平和への願いがあったことを明かした。

■放送情報
『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』
[NHK総合]毎週日曜20:00~20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00~18:45
[NHK BS4K]毎週日曜9:00~9:45
作:宮藤官九郎
音楽:大友良英
題字:横尾忠則
噺(はなし):ビートたけし
出演:阿部サダヲ、中村勘九郎/綾瀬はるか、麻生久美子、桐谷健太、斎藤工、林遣都/森山未來、神木隆之介、夏帆/リリー・フランキー、薬師丸ひろ子、役所広司
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/idaten/r/

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