『スカーレット』は有名子役が大渋滞! 朝ドラ序盤の重要な“つかみ”を担う、子役たちの輝き

『スカーレット』は有名子役が大渋滞!

 9月30日より放送が開始された戸田恵梨香主演のNHK連続テレビ小説『スカーレット』。

 ヒロインの半生もしくは一代記を描くことの多い朝ドラでは、物語の世界観を提示する「つかみ」の部分は非常に重要だ。

 視聴者の共感を得る意味でも子役時代が担う役割は大きく、作品によっては「子役時代が結局、一番良かった」と言われてしまうこともあるほどだ。

歴代の朝ドラ子役レジェンド

 歴代の朝ドラ子役というと、誰もが真っ先に思い浮かべるのは、『おしん』の小林綾子だろう。

 作品人気だけでなく、小林綾子の「天才子役」ぶりは大いに話題となった。橋田寿賀子脚本の長台詞を、自分の分だけでなく相手のセリフまで丸暗記していたうえ、山形弁も完全にマスターしたことは、共演者やスタッフを驚愕させた。そんな彼女が『なつぞら』で、ヒロインの幼馴染・天陽(吉沢亮)の母として、長い時を経てまたしても「貧乏役」で戻ってきたことは、記憶に新しい。

 また、朝ドラ好きにとって忘れられない「子役の首位打者」といえば、森田直幸だ。『女王の教室 エピソード2~悪魔降臨~』(日本テレビ系、2006年)で“眉目秀麗・文武両道の優等生で、いじめっ子”宮内英二を演じたのが有名だが、朝ドラ子役史上、最も信頼された一人といえる。

 そんな彼の朝ドラ出演は『ふたりっ子』『ほんまもん』『てるてる家族』『風のハルカ』『芋たこなんきん』『ちりとてちん』『てっぱん』と、7作に及ぶ。幼い頃から、柴犬のような素朴で聡明さが漂う容姿と、ちょっと寂し気な雰囲気、確かな芝居が印象的で、彼が芸能界を引退したときにはショックを受けた朝ドラファンも多かったのではないだろうか(ちなみに、現在は電通の社員をしている)。

 また、朝ドラ御用達子役の筆頭は「二宮姉弟」だ。

 姉は、二宮星。『カーネーション』で尾野真千子演じる糸子の少女時代をエネルギッシュに愛嬌たっぷりに演じた様があまりに素晴らしかったことから、後に糸子の次女・直子役として再登場した。

 近年はヒロインの幼少時を演じた子役が、後にヒロインの子ども役で再登場するのが一つの定番になっているが、その流れを作ったのが二宮星の名演技だったと言えるだろう。

 そして、その弟が、二宮輝生。朝ドラ出演作は『ごちそうさん』『マッサン』『あさが来た』『まんぷく』と人気作品揃いで、姉と共通する愛嬌と達者な芝居には安定感がある。『まんぷく』で萬平(長谷川博己)・福子(安藤サクラ)の息子の少年時代として登場したときなどは、妙なベテラン感すら漂わせていた。

 また、近年の朝ドラで子役たちが特に輝いていたのは、『半分、青い。』だろう。メインキャストの子役時代と「本役」の役者が似ても似つかない作品もある中で、ヒロイン・鈴愛の子役時代を演じた矢崎由紗はよく動く丸い目やエネルギッシュなところ、笑い方や表情豊かなところが永野芽郁とよく似ていて、その“シンクロ”度が視聴者の間で話題となった。

 また、同作では、佐藤健演じる律の幼少期を演じた高村佳偉人が、愛らしさと繊細さ、ちょっと大人びた雰囲気から人気を得て、後に『チア☆ダン』(TBS系)、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)、『トレース〜科捜研の男〜』(フジテレビ系)出演へと羽ばたいていった。

 矢本悠馬の幼少時を演じた西園寺龍之介役の大竹悠義も、リアル昭和の子感が視聴者に絶賛された。

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