大音量&長時間再生可能なHD Vinyl、ハイレゾ録音可能なプレーヤー…アナログレコードに技術革新

アナログレコードに技術革新

 オーストリアのスタートアップ・Rebeat Innovation社が、2019年に革新的なアナログレコード「High Definition Vinyl(以下HD Vinyl)」を発売する可能性があるという(参考:“High Definition Vinyl” Is Happening, Possibly as Early as Next Year・Pitchfork)。

 「HD Vinyl」は、従来のLPよりも高いオーディオ忠実度、より大きな音量、それに加えて、より長い再生時間を備えている。また普通のレコードプレーヤーで再生できる点も、普及の大きなアドバンテージになるだろう。Rebeat Innovation社は、すでに480万ドルの資金を調達しており、10月に開催される『Making Vinyl 2018』のカンファレンスで正式発表予定。2019年の夏には、店頭で最初の「HD Vinyl」を並べることを目標としている。

 アナログレコードは、1950年代にポリ塩化ビニールを利用したLPやSPが普及して以来、目立った技術革新がなかった。1980年代にCDが登場したことによって、一度は衰退したが、最近ではその価値が見直されつつある。例えば過去には世界最大級のIT・家電の見本市『CES 2016』で、ソニーのレコードプレーヤー「PS-HX500」が話題になった。アナログレコードをハイレゾ音源(192kHz/24bit超)として録音し、そのデータが保存できるという、ハイレゾの普及を推し進めるソニーらしい製品である。

 「PS-HX500」や「HD Vinyl」は、古きフォーマットを活かした革新的な技術の一つとなりそうだ。価格や流通枚数なども気になるが、特に「HD Vinyl」はアナログレコードブームをさらに活性化させる可能性を秘めているように思う。

 Nielsen Musicの調査では、2017年のアナログレコードの売上高が12年連続で増加していることを報告していた。LPの売上高は、全アルバム売上の8.5%(前年6.5%)を占めているという。

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