体験型アート展『DOLLHOUSE』レポート マネキン・デュオFEMMとエンターテックのコラボ空間

マネキンデュオとテックのコラボアート展レポ

 クリエイティヴ・ユニット2nd functionとマネキン・デュオFEMM、そしてアート・ディレクター河野未彩がコラボレーションした体験型アート展『DOLLHOUSE』が、8月27日まで表参道 B SPACEで開催中だ。

 表参道交差点に面するビルを丸ごとピンクに染めあげた会場は、全部で4フロア。ここに、8つの“エンターテック”がちりばめられている。

ピンク一色の会場は、“自ら動くマネキン”だらけ

 外観からしてポップなピンク色のビルに入ると、内装ももちろんピンク一色。アパレルショップのようなオシャレな空間でまず目を引くのは、DOLLHOUSEのグッズを身に付けた2体のマネキン人形だ。本展の『DOLLHOUSE』というタイトルは、FEMMが“マネキン”・デュオであることに由来している。そして、彼女たちだけでなく、パフォーマーや会場スタッフも、人間ではなく“自ら動くマネキン”というコンセプト。マネキンだらけの会場の中で、来場者のみが人間として存在するのだ。

 1階で楽しめるエンターテックは、3D立体映像「Holo」。こちらは、スクリーンや専用メガネなしで、擬似的に映像に触れられる展示だ。2台のHoloには、それぞれFEMMの「RiRi - リリ」と「LuLa - ルラ」が投影されている。会場内を流れる音楽に合わせてダンスする彼女たちの映像に触れると、衣装が変わったり、くるりとターンをするといった効果が。これは、天井に取り付けられたセンサーが、来場者の手の動きに反応する仕組みになっている。

音楽×パフォーマンス×エンターテックが融合したFEMMのライブ

 本展では、1日に数回、FEMMのワンマンライブとダンサーらによるパフォーマンスショーも開催されている(※休演日あり)。

 2階へ上がると、ステージに白い衣装を着たFEMMの2体が静止状態で立っている。音楽が流れると彼女らが動き出してダンスパフォーマンスが始まるのだが、曲を重ねるごとに、エンターテックの効果が加えられていくという仕様だ。

 最初の効果は、パナソニックの最先端技術である「高速追従プロジェクションマッピング」。通常のプロジェクションマッピングは静止したスクリーンなどに投影されるが、こちらはランダムに動き回るような対象の動きを捉え、映像もそれに合わせて投影されるというもの。センサーを服などに取り付けることで、対象物の動きを追える仕組みだ。また、映像を鮮明にするため、FEMMの2体も白い服を着ていた、というわけだ。

 ふたりの胸部から腹部にかけて、フィーチャリング・アーティストのELLE TERESAの姿や、心臓のように脈打つミラーボールが映し出されていく。衣装のデザインや身体のラインに合わせた映像になっていることで、まるで彼女たちの身体が透けているようにも見えた。

 続く効果は、可変レーザーショー「i_to(イト)」。こちらは、フィンランド発のスタートアップカンファレンス「Slush Tokyo 2018」でも披露され、国内外からの注目を集めたショーだ。通常は、高速追従レーザーを人物の上部から照射し、レーザー光を操り人形の糸に見立てるパフォーマンスだが、今回は主に側面からの照射となっていた。

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