月9『絶対零度』“ミハンシステム”は実在する? 世界的なAI捜査の実態を専門家に聞いてみた

『絶対零度』“ミハンシステム”は実在する?

 沢村一樹が主演を務める月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)の第7話が視聴率10.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)をマークし、5週連続2桁台という高い注目を集めている。

 “コールド・ケース”と呼ばれる未解決事件を扱ったSeason1「〜未解決事件特命捜査〜」、表面化しない特殊犯罪への潜入捜査を行ったSeason2「〜特殊犯罪潜入捜査〜」を経て、今回のSeason3「~未然犯罪潜入捜査~」では、“未然犯罪捜査システム=ミハンシステム”を実現化させたミハンチームが、リストアップされた危険人物の犯罪を阻止していく。

 ドラマの説明では、「日本国民のあらゆる個人情報、日本全国の監視カメラの映像、メールや電話の通信データ、などが集約されたビッグデータを解析し、過去15年分のさまざまな犯罪データと照らし合わせ、AIが統計学的に、これから起こる重大犯罪、主に“殺人”を犯す可能性の高い危険人物として割り出す“未然犯罪捜査システム=ミハンシステム”の実用化プロジェクト」(番組公式サイトより)と詳細な記載があり、まるで現実でもミハンチームが密かに捜査しているのではないか、という錯覚に陥るほどのリアリティだ。

 それでは、実際にミハンシステムのようなAI捜査は、現実にも行われているのだろうか。犯罪発生予測システム開発者であり、犯罪予測に詳しい、株式会社Singular Perturbationsの梶田真実氏に世界的なAI捜査の現状を聞いた。

「すでにアメリカではいくつかの警察署がAI捜査から導き出した犯罪予測のリストを作って、実際に捜査に活用されています。犯罪者になる可能性の高い人に加えて、犯罪の被害に遭いやすい被害者のリストというのも作られたりしています。警察が持っている逮捕者データ、属するコミュニティの情報などから統計学的に繋がりを見出していき、危険人物がリストの上位に上がるようなアルゴリズムです。多くの人が犠牲になったある銃撃事件の例ですが、打たれてしまった8割の方が被害者になる可能性のある人としてリストアップされていました。もし、捜査に介入をしていれば、防げていた可能性もあるということです」

 このようにアメリカでは、AI捜査が現実的なものとして進んでいるようだ。欧州で開発されたコンピューターシステム「VALCRI」は、ビッグデータを分析し、数秒で犯罪の解決、防止に貢献しているという記事もある(参考:AIが犯罪を解決する日は近い!?欧州で開発が進む捜査システム「VALCRI」とは)。

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