大作ゲームも普通のPC&ストリーミングで楽しめる時代に? Googleが新サービス「Project Stream」発表

 あらゆるものがクラウド上のサーバーで管理され、映画や音楽を配信によって楽しめるようになった現在、ゲームだってストリーミングで楽しみたい、という人も増えているだろう。そして、今や生活基盤になりつつあるほど多くの人が依存しているGoogleが新たなクラウドサービスプロジェクトを展開。それが、映画や音楽のようにゲームをブラウザ上でストリーミングによって楽しめる「Project Stream」だ。

Project Stream Official Gameplay Capture

最新ゲームに必要なのは「ごく普通のパソコン」だけに?

 実写に近い高精細な描写、広大なマップに長尺のムービー。技術の向上とともにゲームに求められるスペックもどんどん上がっている。だからこそ、プレイするためには高価な家庭用ゲーム機やハイエンドゲーミングPCが必要になってくるわけだが、Googleが取り組む新たなゲームストリーミングサービスならPCのスペックに強く依存せず、ブラウザ上で最新のゲームがプレイできるようだ。

ゲームの大敵「遅延」問題はクリアされるか

 ストリーミングサービスではサーバーから膨大なデータが送信される以上、そこにはコンマ数秒のラグ(遅延)が発生する。音楽や映画ならその遅延があったとしてもさほど気にならないものだが、ゲームの世界では人間に感知できるラグは許されない。しかしGoogleは今回の発表に伴いプレイ中の遅延について「遅延は1/1000に抑える必要がある」と話しており、その本気度がうかがえる。

プロジェクトはUbisoftとの提携により実現!

 今回「Project Stream」はUbisoftとの提携によって行われ、同社の代表的なフラッグシップタイトル『アサシン クリード』シリーズより、最新作の『アサシン クリード オデッセイ』にてテストを開始するそう。Ubisoftの技術の粋を集めたハイスペックさを要求されるタイトルをテスト対象に選ぶ点からもGoogleが今後、ストリーミングゲームサービスに大きなリソースを割いて取り組んでいくであろうことが予想できる。

 テストは『アサシン クリード オデッセイ』の発売日である10月5日から、招待という形で一部ユーザーに限定して開始するそうだ。

テスターには条件あり ただし日本からは……

 Project Streamのテスターになるにはいくつか条件がある。まずはインターネット環境、25Mbps以上の高速で安定的な通信ができること。さらにPCに最新バージョンのChromeがインストールされていること。GoogleアカウントとUbisoftアカウントの両方を作成していること。そして年齢は17歳以上であること。最後に「アメリカ在住」であること。つまり日本からテスターへの応募は現時点ではできないということになる。今のところはアメリカのテスターからの続報を待ちながら、日本での展開を楽しみに待つとしよう。

ストリーミングはスタンダードになるか?

 NetflixにSpotify、映画や音楽の世界では「ストリーミング」は新しいスタンダードとなった。これまでにもSIEがPS4にて提供する“PlayStation Now”のようにストリーミング形式でゲームを提供する取り組みがなかったわけではない。しかし「Project Stream」が実現しようとしているのはコンシューマーゲーム機に向けて提供される半分閉ざされたサービスではなく、インターネット環境にあるPCがあれば誰もが大作ゲームを楽しめるようになる世界だ。2020年にも提供が予定されている次世代の通信規格5Gが整備される時期には、場所やデバイスなどの環境に左右されることなく、ハイクオリティなゲームを楽しむことがスタンダードになるかもしれない。

■げんきくん
UXライター。Webサービスとテクノロジー、あとオカルト、宗教、デザイン、アメコミに興味があります。

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